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リアル・イグアナの娘


鏡を見るたびに、自分て昔ドラマでやっていた「イグアナの娘」と同じだなって、そんなことを思っています。

「イグアナの娘」とは、25年くらい前に放送していた菅野美穂主演のドラマで、母親が娘を出産した直後から、自分の娘がイグアナに見えてしまい、どうしても愛することができない。
冷たく接する母に、娘もまた鏡に映る自分の姿がイグアナに見えるようになる。身体醜形障害と親子の確執を題材にしたドラマです。


鏡に映る自分は酷く醜い姿に見えるけど、傍からみたらごく普通。
しかし、もし傍から見ても、同じ容姿で見えていたら・・・。


パス度ゼロ

トランスジェンダー女性が、女性としてのパス度(MtFの場合、第三者から女性として認識される度数)がゼロだった場合、鏡に映る自分の顔(男性の顔)は、ドラマ「イグアナの娘」に出てきたイグアナと変わらないのです。

しかも、鏡に映るそれは、本物のイグアナ(男性)なのです。

ゴツゴツ、ボコボコした顔に、化粧水、美容液、乳液、そして丹念に髪にも櫛を入れる。
何もしないよりはマシと周りは言いますが、イグアナに化粧水を振りまいても何も変わらないし、その無駄な行為が徐々に心を蝕んでいくゆく。更には、強制脱皮のホルモン剤の大量服用で、心と体に大きなダメージを喰らってしまう。

脱皮してもね、イグアナはイグアナなのです。かわいい兎にはなれません。

他のSNSなどで投稿されるメッセージには、「男性として完パスなら、潔く男性として生きろ」そういった内容の言葉もあったりします。

「潔くイグアナとして生きていけ」、それは無理な相談です。

だから、パス度ゼロで自己のセクシュアリティをこじらせたら、人生「詰み」となる。


◇ ◇ ◇

往生際の悪い私は、鏡に映る自分を見て、そのかぶり物を脱ごうとするのだけれども、身体にぴたりと密着して脱げません。
刃物で切り裂けば、脱ぐことはできるか?
なんか痛そうです。リスカは痛いです。
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飲んでいる薬を、もの凄く体に負担のかかるものに変えました。
やはり情緒不安定になりやすいです。


トップ画像は、イグアナの娘 (小学館文庫)の表紙を参考。

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