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吾輩は卒業生である、実感はまだない。

 おはようございます、スミレです。

 先日、予餞会が催されました。あれです、3年生を送る会の別名です。
 予め餞を送る会ということで、後輩たちや先生方から、これまでの感謝と、これからへの激励の言葉をたくさんもらいました。

 お決まりの行事とはいえ、やっぱり嬉しいものですね。関わりの深い人たちから餞を送ってもらえる機会を設けてくれたことに感謝です。

 送ってもらっておいて、こんなこと言うのもアレですが。
 いまだに卒業の実感が湧きません。

 私はもう送られる側なんだ、と考える頭と、まだまだ高校生活を続けるつもりの心。全く違うもの2つを、1つの体で抱えております。不思議な感触です。

 経験上、卒業式当日に涙腺崩壊する可能性が高いです。
 正真正銘これが最後だぞ、と分からせられて、今まで感じてこなかった反動で涙がブワーッと溢れるやつ。

 ハンカチで足りるかな、バスタオル持ってった方がいいかな。……いやいや、答辞を任された代表がギャン泣きでどうする、なんとか耐えねば。
 と、やっぱり実感が湧かないままふわふわと考えています。

 この名称を付けるまでもない不思議な時間も、この1度きりで、すぐに過ぎていってしまうのでしょうね。
 これは、このままで堪能しておいた方がいいのかもしれません。

 というわけで卒業の実感を得ようとするのは諦め、予餞会と緊張について振り返ろうと思います。

 予餞会ですから、言ってしまえば3年生は「送ってくれてありがとう」だけ言っていればオッケーな行事です。
 私個人は、このところ疲労が溜まっていたので「今日は頑張らなくていいから!」と自分のケアに努めていました。

 私は今まで、文化祭でも予餞会でも、運営する側の実行委員会として動き続けていました。だから分かるんです、もてなしたい人たちに頑張られると、嬉しいけれどちょっと困るってことを。
 楽しんでもらうぞ、そのために頑張ってきたし、本番も頑張るんだ!と意気込んでいるのに、お客さんサイドがテキパキと運営側の仕事をしてくれたら、申し訳なくなるんです。

 だから今日は目一杯もてなされよう、と。
 思ったのですが、実は私、ただの客ではありませんでした。

 後輩たちが企画してくれた予餞会は、ちょっとしたクイズ→軽音サークルの演奏→感謝と激励のメッセージ動画という流れで行われました。
 この「軽音サークルの演奏」で、私は演奏しました。

 サークルからの生演奏は計5曲、そのうち2曲が私の出番でした。バンドの中でアコギを弾いて、次に歌う同級生の横で伴奏のアコギを弾いて。

 私、話すことが苦手だとは散々言ってきましたが、正確には人前で何かすることが苦手なんです。だって緊張しすぎるから。
 高校生活の3年間、機会があるごとにスピーチや演奏に挑戦してきました。それでも苦手意識は根強く残っております。
 苦手克服に、3年じゃ全然足りないということを学ばされましたね。

 その割には、今回の予餞会、緊張しなかったな、と思いまして。

 いや、もちろん手汗はかきました。演奏の途中でピック吹っ飛んじゃうかも、と心配したくらいにはしっかり濡れていました。

 ですが、心臓のバクバクは少しも感じませんでした。
 いつもなら、じっとしていても鼓動だけで体の揺れを感じるほど、心拍数が爆上がりするのに。あと吐き気もしてアンハッピーセットになるのに。

 私にしてはいやに冷静だったのが、また不思議です。
 ちなみに演奏の方は、2曲ともほぼノーミスの完璧な出来になりました。

 これは、どう捉えればいいのでしょうか。
 成長を実感できたから、卒業式の答辞にも自信を持って臨める。
 ただただ疲れていて、緊張する元気もなかっただけ。

 おそらく後者が1番有力だと思うのですが、前者を捨てるのは勿体無いとも思います。

 そうだなぁ、都合よく考えるなら……。
 疲れで肩の力の抜き方が分かったから、それを答辞でも応用できるはず?

 とはいえ、このまま疲れた状態でいるのは大変よろしくないです。今日は午後からのんびり登校することにします。

 ふわふわで不思議な心地を、もうしばらく味わおうと思います。
 ここまで読んでくださりありがとうございます。

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