夢、四回目。

徹夜あけの二度寝をしたら、また娘が夢に出てきた。
どうしたんだ? ここのところやけに頻繁じゃないか、と思う。

前回の夢のときも、今回の夢のときも、娘は肩までおろした長い髪だった。
そんなヘアスタイルだったのは病気になる前くらいまでで、病気になってからはずっと、ショートカットにしてばかりだったのに。
あの世で落ち着いて、髪を伸ばしたくなったのだろうかと思ってみたり。
服装も、前回同様、サーモンピンクと白とグレーの綺麗なセーターを着ていた。
これも生前、病気になってからは黒いものや、姑が買い与える中年女性の着るような年寄り臭い服ばかりだったので、身綺麗にすることに感心が向いたならよかったと思ったり。
いや、もう死んじゃっているからよかったと思うのは私のエゴなんだけれど。

今回は、私が結婚前まで住んでいた郊外の実家が私の家になっていた。
そこへ娘が普通に、以前から一緒に住んでいるような顔でやってきて、私に「私の仕事を手伝いたい」と言うのだが、生前、実際に一年ほど手伝わせて全然モノにならなかったので、私はあまり気が進まず、それでもなぜか黒髪のくせ毛頭の描き方などを教えていた。

そのうちに「映画を観に行きたい」というので、娘の観たい映画が近所の映画館でやっているか調べたら、今日の上映回はもう終わっていた。
それでもなんとかネット配信で観られないか、とか、他に観たいものはないのか、タブレットで二人、ごちゃごちゃやっていたら目が覚めた。

なんだか、夢も回を追うごとに「普通」になってゆく、というか、以前ほど強い感情は伴わなくなって、その代わり、本当に自然に表れて、日常を少しだけ一緒してくれる感じだ。

まあ、どうせ夢は夢。寝ている間に脳が勝手に色んなデータを出し入れしているだけの事なので、これも実際の娘とは関係ないのだろうけれど。

でも、たまの、ほんのひと時でも「あったかもしれない」なにげない日常の続きを体験できるのはありがたいと思う。

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