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師であり友である元うつ病患者は著者になった。『ぱなりな』三浦美穂(著)

セラピストとしてわたしが、苦しい状況にいるクライアントさんや、友達に、「大丈夫。きっと好転するときがくる。」と確信を持って伝えることができているのは、この人を長く長く見てきたからだ。

三浦美穂ちゃん。
わたしたちは短大時代の同級生で、もうかれこれ35年の付き合いになる。

彼女はずっとわたしにとっては頼りになる存在で、悩んだ時の話し相手で、困った時に最高の助言をくれる人。

そんな彼女がうつ病を発症したのは、まだ20代の頃だった。長い間もがき苦しみ、そして宮古島とヒーリングによって完全に回復した今。彼女はわたしのヒーリングの師匠でもある。

若かった頃、わたしは側にいても最初は彼女の症状に気がつけなかったし、その後の長い間、うつ病に振り回されている友に何をしてあげられるのか、どんな風に接するのが正解なのか分からなくて、困惑した時期もあった。

入退院を繰り返し、自宅療養中と言いながら、摂食障害のガリガリの体でなお、資格を取る為に努力したり、お菓子講座の講師をしたりと活動的にあろうとする姿に、なぜこの人はこんなに生き急ぐのか。。と思ったこともあった。

その陰にどんな背景や心情があったのか。

そうだったのね・・・とより深く理解できたのは、彼女が今回その軌跡を本にまとめてくれたおかげだ。

この本が出る前に、実はわたしは何度も原稿を読ませてもらっている。
何度読んでも、同じ場面で涙ぐみ、同じ場面で微笑んだ。
この物語は、多くの人に癒しと救いと元気を与えるものになると、読む度に強く強く確信した。

誰にでもある、誰もが体験するような事柄を、どんな風に捉えていると苦しくなるのか、等身大で語られたうつ病発症前のお話は、みんながきっと頷けるはず。自分の心の中にずっとあったモヤモヤを、スッキリ説明してくれてありがとう、という気持ちになる。

そして辛い闘病を超えて、何をきっかけに回復して行ったのか。その内容は、ページをめくるのが待ち遠しくなるような出来事が満載。宮古島の人々の放つ言葉は神が宿っているとしか思えない。

それらは一見、彼女だけに起きたミラクルに見えるかもしれないけれど、そんなことはない。
きっかけは人それぞれだとしても、何に気づけばよかったのか。どんな視点を持てばよかったのか。読み進めると、そうだよね。と合点のいくことばかりで、誰にでも響く言葉がぎっしり詰まっている。

この本はきっとオラクルカードみたいに、ふと開いてみたページに、その日の自分にぴったりくる金言が見つかるような、そんな本になる。

それを知るために、それを伝える使命を持って、我が友はこんなにも遠回りをしなくてはいけなかったのか?辛く苦しい時間が長すぎたよね。
と友達としては思わずにはいられない。

この本は、友達という贔屓目抜きでみんなにオススメしたい。



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