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金融国家化・工業国家の無理

日本がもしもこのまま人口減少にAIオートメーション化が追い付かず、企業の国内生産拠点が人手不足で破滅して行くとすれば、やがては国内に工業を欠く金融国家みたいな状態に至るのであろうか。もしも高卒人材が今よりもさらに減少して行くとすれば、国内において工業生産の体を維持できるのは大企業だけである。

これだけ人口が多い国家規模で金融国家化するのはどう見ても無理だろう。というかマルクスが見たら諸手を挙げて褒め称えそうなぐらい生産と製造を重視して金融リテラシーの低い日本人が、そう易々と金融国家化を受け入れるとはとても思えない。教育体制だって現在の「教育とは子供を育てるためのもの」という社会的な了解をぶち壊すような制度を作らねばならず、これもめちゃめちゃに難しい。

とはいえ、それでは高卒人材もどんどん減って行って、AIオートメーション化は追い付かず、生産能力はどんどん落ちて行って、かといって移民政策を公言すれば即座に選挙で支持を失うという状態が続けば、どう見てももう国内で工業生産をやるのは現実的にならない。大幅に縮小した労働力を物凄い高給好待遇で雇うか、または大々的にAIオートメーション化を進めなければもうどう見ても生産活動それ自体が全く成立しないだろう。

という事は、低価格帯でしか販売できないような日用品や、そのための素材といったような工業生産物は日本国内で生産するのにはかなり無理が出てくる事になる。高機能高価格の製品を生産して、国際市場のお金持ち層を狙って輸出することができないと、国内での生産活動はほぼ無理ゲーになって行くと思われる。

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