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FICTION: CHACHA 長短編

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これら作品は、フィクションであり、現実に存在する人物、団体等とは何ら関係ありません。
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記事一覧

【二人のアルバム~逢瀬🈡~芳醇~その①~】(フィクション>短編)

§ 1.報せ彼の父の落着き先が文字通り決定し、父のケアマネや散歩に付き合う隣人が段々良い友…

K.CHACHA8898
4日前
4

【二人のアルバム~逢瀬㉗~オテル・グランデ】(フィクション>短編)

§1.帰郷皆で会うことにしたその週の土曜日の午後、にこやかに大塚が門扉を開けて、外の道路…

K.CHACHA8898
3週間前
4

【二人のアルバム~逢瀬㉖~煩雑憂虞(はんざつゆうぐ)】(フィクション>短編)

§ 1.煩雑憂虞彼は血圧の事など、悩んだ事は無かった。 「血圧250で血管が爆発する」 と、如…

K.CHACHA8898
1か月前
7

【二人のアルバム~逢瀬㉕~病~】(フィクション>短編)

§ 1.眩暈アパートメントハウスの扉は鉄の大きな扉だった。 この扉は、片手でこの重い鞄を持…

K.CHACHA8898
1か月前
5

【二人のアルバム~逢瀬㉔~パークウェイジャム~】(フィクション〉短編)

§ 1.公園通りパークウェイ開発は、公園通りと呼ばれる彼女のアパートメントハウス前のに有る…

K.CHACHA8898
1か月前
4

【二人のアルバム~逢瀬㉓~遷ろい~】(フィクション>短編)

§ 1. 変化変容「おはよう」 「おはようございます、随分早いわね」 「金木犀、三度咲きだっ…

K.CHACHA8898
1か月前
5

【二人のアルバム~逢瀬㉒~蟄居~】(フィクション>短編)

春の始めの薄ら寒さと夜露と朝露に冷たさを感じる朝、瑠衣の葬儀が静かにしめやかに執り行われた。 幸子が倒れてしまった夜、時機を見ていた様に、突然、誰が見送る暇もなく、瑠衣は一人、寂しく静かに散って逝った。 瑠衣を発見した後の幸子の悲しみは激しかったが、その分、涙が幸子を強くし、元の暮しに立ち直るのが、早かった。微笑などは無かったが、彼女の目から見ると、幸子を気遣い、自分の悲しみに時間を割けなかった彼の父の悲しみの方が、依然と深かった。 彼の父は、静寂の中にぽっかり空いた様

【二人のアルバム~逢瀬㉑~唯一無二~】(フィクション>短編)

§ 1. ミューズ彼女と夫婦になって、彼が気付いたのは、2人で築いていく事業はひどく彼にとっ…

K.CHACHA8898
2か月前
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【二人のアルバム~逢瀬⑳~斎言 その参】(フィクション>短編)

§ 5. 斎言前夜前の晩に白無垢と着替えなどを持ち、猫を新品の旅行用ケージに入れて、彼と彼…

K.CHACHA8898
2か月前
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あなたと重ねる口唇は

K.CHACHA8898
2か月前
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【二人のアルバム~逢瀬⑲~結び事 その弐~】(フィクション>短編)

§ 3. 結び事彼の両親は、穏やかな性格のカップルで、ニコニコとしてくれた。彼の父は、 「料…

K.CHACHA8898
2か月前
8

【二人のアルバム~逢瀬⑱~結び事~】(フィクション>短編)※加筆済

§1.菜種梅雨二人で暮らし始めて、半年もすると、彼の起業したコンサル業は、彼の働きぶり…

K.CHACHA8898
2か月前
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【二人のアルバム~逢瀬⑰~垂れ櫻】(フィクション>短編)

彼との生活に慣れてきて、彼女の生活には弾みがついた。 春の陽気が、少しづつ彼女の震える肩…

K.CHACHA8898
2か月前
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【二人のアルバム~逢瀬⑯~企業曼荼羅~】(フィクション>短編)

彼が入居し、落ち着くまでに大体一か月、懸った。 春が近かったがまだ寒い日が多い。彼は、入居してから自分のベッドをリサイクルショップに売って、その隣の家具ショップで新品の彼女用のクイーンサイズベッドを新規購入し、2人と一匹で、スプーンの形になって眠った。彼は実家で犬を数匹飼っているが、動物が大好きで、彼女の猫も彼の気持ちも分かるようだった。 1匹と二人の生活は特に問題なく、彼女は彼と面白おかしく暮らしていた。彼女の笑顔を見て、彼も楽しんでいた。 その間に、彼の元居た会社で