1994年、Hi-STANDARD

1994年、世界で人気があったバンド、トップ3は多分、
NIRVANA
Pearl Jam
Alice in Chains
だと思う。
人気があったと書くと語弊があるかもしれないけれど、とにもかくにもグランジ/オルタナティブが時代の中心だった。
自分という存在に向き合い、社会との関りを良くも悪くも疑問視するようなことを音楽を仲介しながら問い直す、グランジ/オルタナティブはそんな重たい音楽だったから、なんだかひどく疲れ果てた音楽シーンだった。
1994年、カートコバーンが死んだ。
時代の入れ替わり。この年に2枚のアルバムが発売された。
GREEN DAY  「DOOKIE」
oasis  「Definitely Maybe」
一気に世界は明るくなった。
GREEN DAYは「Basket Case」である。バスケットケースって..
oasisは「Rock'n'Roll Star」である。ロックンロールスターって..
重たい音楽に疲れ果てていた世界の人たちは、こんな底抜けに明るく分かりやすく清々しい音楽を待っていた。

GREEN DAYの来日公演。友達10人くらいで観に行った。モッシュやダイブみたいなライブの楽しみ方が始まった頃である。
その来日公演のオープニングアクトがHi-STANDARDだった。
僕ら全員、Hi-STANDARDを知らなかったのだが、結局、その日、一緒に観にいった全員が、GREEN DAYよりHi-STANDARDに圧倒されて、その日から僕らは来る日も来る日もHi-STANDARDの話ばっかりしていた。

そんなわけで、自分も周りもHi-STANDARD漬けの日々だったのだが、自分で曲を作って歌うバンドを作ってライブハウスに出始めたら、周りのバンドの人たちはHi-STANDARDの話題に一切ならない。「たま」や「ブルーハーツ」が妙に神格化されていて、英語で歌うオリジナルバンドなんかほとんどいなかったし、ちょうどナンバーガールやくるりが出始めた頃で、日本語勝負だった。
僕も最初は英語で歌詞を書いていたけれど、途端に嘘くさく感じてそれから全部日本語で歌詞を書き始めた。
ハイスタは人気が出すぎて、ハイスタ好きと言うとミーハーだとバカにされる空気がすごいあった。

でも、僕は心の中ではハイスタがずっと好きだった。

再結成後のHi-STANDARDが好きだ。3人とも落ち着いていて仲が良さそうだし、日本にずっとハイスタがいるというだけで、音楽の世界全体があたたかく感じられたからだ。

恒岡さんがいなくなって悲しい。ずっと悲しい。

1994年。
GREEN DAY 「DOOKIE」
oasis 「Definitely Maybe」
実はもう1枚すごいアルバムが出ている。

Hi-STANDARD、ファーストアルバム「LAST OF SUNNY DAY」
最近よく聴いている。

2023.5.14