踊れぬ者、久しからず
渋谷に20時、スニーカーとタオルとだけを持ってスタジオに向かう。
踊りを始めて、もう20数年が経ち、自分になくてはならない存在になっている。私はバレエから始まり、途中からはヒップホップなどのストリートダンスに傾倒してきた。昔は定期的にレッスンを受けたり、オーディションを受けてイベントなどに出たり、一時期は振付のお仕事もひっそりやっていたけれど、いつしか踊りたい踊りをあまり踊れなくなってしまい、家の中でひとりで踊るか、気の合う友人としか踊らない日々だった。「身体で覚える」とい