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こんな時に思い出す「気分はもう戦争」

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こんな時に思い出す「気分はもう戦争」。
僕が生まれる前、40年前のマンガです。
今より緊張状態な時代に描かれた作品かもと思いました。
同時に創作は偉大だと感じます。

Twitterなどで創作の無力性や意思表示の無力性を散見しますが、
僕は意思表示をするだけでも良いと思っています。

米ソ冷戦と核の脅威の時代性から
70年代にガンダム、スターウォーズ、
80年代にブレードランナー、マッドマックス、北斗の拳、ナウシカみたいなデストピアもの傑作が生まれました。
いずれも戦争や暴力へのロマン汁みたいなものがほとばりしながらも(→作者のオタク性)
その愚かしさや残虐性、非人道性をキッチリ描いて、作り手の立ち位置をしっかり表明していると思っています。

「気分はもう戦争」はバブル前夜の日本経済の上昇や文化的なワクワク感。
この二つの上昇感と、戦争への不安に対するカラ元気が相待った傑作だと思います。(→戦後37年で若者が平和ボケしてる)

1982年は大友克洋が28歳、矢作俊彦が32歳。
しらけ世代の彼ら流の時代との距離の取り方、
バブル前夜の学生文化のワクワク感も、中ソ対立〜米ソ冷戦も
少し距離をとってシニカルな視線で、
でもガップリ4つに彼ら流の「戦争」を見せてくれるのが「気分はもう戦争」なんじゃないかと。
戦前の建前主義、立場主義みたいなものに巻き込まれるのを否定して、
「自分で戦場を選ぶ」というハチマキの態度はその時代の若者の本音なんじゃないかと思います。
(→戦場に兵士として行った人もまだギリ現役な時代だし結構世代感の戦争感へのギャップが激しい時代と思います)

作者の世代的な背景とその作品が作られた時代性、
そういうものから目を背けないのが創作者なんだなと思いました。

創作は時代に抗う心のバネ。

先人たちの気合いを受け継いで自分も頑張らなと思いました。

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