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ライカM3を10年使って

 ライカM3を2013年に買って、10年が過ぎました。ほぼ月イチでは使ってきたでしょうか。そこで見えてきたものを書いてみます。

きっかけは沈胴ズミクロン

 ライカM3を購入したのは、前の記事で書いたリコーGXR MOUNT A12を手に入れたことがきっかけでした。そして、ライカマウントのレンズがほしいと思って、まず買ったのが沈胴ズミクロンでした。

沈胴ズミクロン。アカサカカメラで購入

 沈胴ズミクロン。なんていい画が撮れるのだろう、その写りに感動しつつ、 MOUNT A12はAPS-Cサイズで75㎜換算になってしまうので、どこかもったいない。だったらライカを買ってみよう、と思い、レンズと同じくアカサカカメラで買ったのが2013年。
 そこで晴れてライカM3と沈胴ズミクロンの組み合わせが誕生しました。

最初期に撮ったお気に入りの1枚。
フィルムはコダックエクター100。

 タイムラプス写真を1枚で見るかのごとく、今にも成長しそうな活き活きとしていて、立体感のある写り。撮りたい対象が浮き出る感じ。これにはまりました。あと、金属の質感、特に車のボディを写すとたまらなく美しい。

ドイツのカメラとドイツの車は相性がいいのかも

 ようするに沈胴ズミクロンの写りが好き、で使ってるところはあります。

アンジェニューTYPE R11も使ってます

 リコーGXR MOUNT A12でレンズ遊びにはまる中、アンジェニューTYPE R11も所有していました。

 ただしこちらはM42マウントで、アダプターを介したもの。なので、ライカの距離計は連動しません。だけど、28㎜の広角レンズであることも手伝い、被写界深度が深い。F8で30フィートに合わせれば、パンフォーカスでいけます。だから、スナップにはめっちゃ使えて、とても重宝しています。

レトロフォーカスってレンズの構成様式のことなんだけど、どこかセピアで「レトロ」な写り(笑)

カメラの選択=「画材道具」選び

 なぜ、ライカM3を使うのかと言えば、理由は2つでしょうか。
 ①大好きなレンズが堪能できること
 ②信頼できる操作

 ①は沈胴ズミクロンに尽きるかも。この描写がたまらない、というのはありますね。そのうえでライカMマウントの拡張性も魅力。もっと使ってみたいレンズがある。
 ②はこれまで触れてきませんでしたが、やっぱり大事。アナログカメラにおいて、レンジファインダーの即応性はスナップに向いています。一眼レフで合わせる方が一見、早そうなのですが、ライカM3の距離計は、即時のピントが合わせやすい(ただし、桜の花とか同じ模様のものが集まっている時は合わせにくいけど)。
 距離計が繊細とか言われるけど、意外とタフ。自分はケースに入れて持ち歩くので、少々衝撃が加わっても問題ないです。
 
 フィルムカメラを使うのか、デジカメを使うのかって、画材道具選びみたいなものなんだと思う。油絵なのか、鉛筆画なのか、みたいな。フィルムにはフィルムに求めたい画質がある。それをいろんなレンズという「筆」を使って描く。その画材と筆で選んだ画が好きかどうか、結局はそこに尽きると思う。

ライカM3で撮った最も好きな1枚のひとつ

 さらに、アナログカメラって、自分で撮ってるぞ、っていう感覚が強い。36枚しか撮れなくても、その一枚一枚が一期一会になる。そうした一枚一枚を重ねていく。デジカメの場合はとにかくシャッターを切って、よいものを選んでいく、ってなりませんか? フィルムの撮影は足し算、デジタルの撮影は引き算ではないでしょうか。 そのうえで、ライカM3の最大の特徴は「安心」なんだと思う。一期一会の写真でも、その確率は上げたいですよね。その点、ライカはちゃんとしたものを購入すれば、シャッターの不具合はないし、安心した画が得られるという絶対的なところがある。エクサクタだと正直、シャッター幕が不安定なところがあるんですよ。ライカM3はいわば有能な秘書。その安心感、安定感でフィルムという「画材」による画作りを楽しむーーこれからも、ライカM3による撮影を楽しんでいきたいと思います。

去年、公募展に出したこの1枚も
ライカM3/ズミクロンで撮影

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