【掌編小説】イルカのハンドタオル
あたしは基本的に人というのは信用しないことにしているので、フリマアプリとかはしたことがない。ユカにすすめられてヒマなときにたまに見てみるけど、買ったことはない。あ、これかわいい。とか思ってけっこう安いし、欲しくなるときもあるけれど、買わない。お金を払って送ってこなかったり、送ってきても、汚れていたり、画像とは全然違っていたりするのが怖いからだ。あたしってそんなことばかりだから。
けれども、ピンク地にブルーのイルカがプリントされたそのハンドタオルだけはあたしの心を捉えて放さなか