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Juego de caraという考え方【第1回情報共有会内容公開】

バルセロナでサッカーコーチをしている砂川太希です!

日本でサッカー指導歴11年目。
2023年夏からスペイン・バルセロナへ移住しサッカーコーチとして活動しています。

刺激的な毎日でインプット過多になっていたので、アウトプットの一環として
知り合いの方を対象に情報共有会をオンラインで実施しました。

今回はその内容を公開したいと思います!

テーマは
「Juego de cara」(フエゴ デ カラ)
という言葉について。

意訳としては「正面にプレーする」
caraは「顔」「正面」「表」といった意味があります。

指導者により解釈の異なりはあるかと思いますが
「ボールホルダーが見えている範囲でプレーする。」
「前を向いている選手にプレーさせる。」
そのような意味となります。

本記事では具体的にどのようなプレーなのか、
いつどこで使うのか、
どのようなメリットを生み出すのか。

そのような話を解説映像(7本)を交えながらお伝えして参ります。


■話の前提

内容に入る前に話の前提として以下の内容をご理解ください!

私は日本で11年間に渡りキッズ,ジュニア,ジュニアユース,ユース,大学,社会人の指導に携わってきて各年代のスカウトも経験しました。
自分の指導するチームのみならず、様々なクラブや部活動の練習見学や試合観戦もさせてもらいました。

それを経て2023年7月からバルセロナ移住。
現在はCE Vila Olimpicaという街クラブにて日本の中1と中2の年代の指導に携わっています。

本記事の内容はあくまでも自分がスペイン・バルセロナでの指導を通して
「今」感じていることや考えていることとなります。

自分のお伝えすることが必ずしもスペインのサッカーを断定するものではありませんので、予めご了承ください。

日本で11年サッカー指導を経験した後に、バルセロナに渡った人間が
渡西数ヶ月で感じたことになります。
(本記事で最も重要な部分です。)

情報のミスリードを防ぐために、ご理解いただけると幸いです!


私の活動しているバルセロナはカタルーニャ州に位置する。
スペインと言っても地方によって異なることも多い。


■「全然前を向かないな」という気づき

2023年2月に、3週間ほどバルセロナに滞在する機会を得ました。
長期移住をする前に下見の一環として、高田純さんの指導者プログラムに参加しUE Cornellaの中学生年代のチームに帯同させてもらいました。

他にもバルセロナの様々なカテゴリーのチームのトレーニングや試合を見学する中で、
「全然前を向かないな」という気づきを得ました。

センターバックからボランチにパスが渡っても、ボランチが前を向かない。
FWに縦パスが入っても前を向かない。
フリーな状況でも前を向かない。

自分は日本で指導していた際に
プレーの優先順位として、
「フリーな状況であれば前を向いて、ゴールに向かってプレーする」
(ゴール方向から選択肢を探す)
といったこと大切にしていました。

ボランチが前を向けた際に、「ナイスターン!」
前を向くための準備を促すようなコーチングも行っていました。
「身体の向きは半身」「相手から離れて受ける」「相手に捕まらない場所で受ける」
的なイメージです。

そういった感覚を持っていたので、
バルセロナで
フリーな状況でも前を向かない選手たちを見たときに、非常に違和感を感じました。

「あれ? 意外と全然前を向かないな・・・」


そこから時間が過ぎて2023年夏にいよいよ長期移住が開始。
ありがたいことに1年目から指導現場に恵まれ、
実際にシーズンが始まってから立ち上げ期の段階で監督から示されたコンセプトが
「Juego de cara」

なぜ、フリーな状況でも前を向かないのかが、はっきりと分かった瞬間でした。


次章以降では
どのようなプレーなのかを実際の映像を踏まえながら明らかにし、
その後に、「Juego de cara」(フエゴ デ カラ)することの効用について
私の考えを示していきます。
最後に日本代表の改善が必要なシーンの映像を見ながら
日本との考え方の違いや
私が指導する際に考えを見直したポイントをお伝えしていきたいと思います!

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