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日本最高峰レース「ツアー・オブ・ジャパン」で谷順成がトップ10に入るまでの裏側~前編~

5月末に行われた日本最高峰のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」にて、那須ブラーゼンのキャプテンを務める谷順成が最難関の富士山ステージで7位、個人総合時間賞で9位に見事食い込んだ。

谷がここまでの進化を遂げたのは、選手たちの努力やスタッフ陣の入念な準備があってのことだった。

ツアー・オブ・ジャパンでの躍進の裏側を若杉社長・谷選手・樋口マネージャーの対談形式で2回に分けてお送りする。

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― TOJ出場が決まった時の心境は?


若杉「順成どうだった?心境としては」
谷「正直なところ、今年ツアー・オブ・ジャパン(以下TOJ)に出場できるっていうのは、シーズン始めの時思っていなかったので。本当に急に舞い込んできたチャンスだなというのを最初は思いましたし、出場するからにはただ参加するだけではなく、自分たちでレースを動かして行きたいなということを思いましたね。」

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チームのエースとして走った谷選手


若杉「(日本の)レースの世界の中で言うと、ジャパンカップとかって当然高い目標としてあるけど、TOJもチャレンジできるというか、勝負できる最大のレースとして本当に大きな存在だから、やっぱり招待されて出場していくこと自体すごい大きなことだなと思うよね。」

樋口「ステージレースでこんなに長い期間日本で開催されるレースってないので、ジャパンカップは海外の強豪選手が来ますけどワンデーですし、ステージレースで富士山とかも含めて厳しいステージがあるレースが開催されることは少ないので、そういう意味でもレベルの高いレースだなと思いますね。」

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TOJでは広報として帯同した樋口マネージャー


谷「僕も学生の時に大阪にいましたし、地元は岐阜なので実はジャパンカップよりもTOJの方が学生の時からよく観るレースでもあったので、憧れていたレースにこんなタイミングで出れると思っていませんでした。」

若杉「正直なところ、国内でコンチネンタルチームは9チームあって、ブラーゼンはUCIポイントを取りに行くような戦い方をあまりしてないので、TOJは日本国内の8チームが招集されてブラーゼンだけコンチネンタルチームの中で招待から漏れるっていうのが例年の流れだったんですね。

で、去年はUCIレースがなかったので、加点できるレースがなかったとすると一昨年のポイントとかになるので、そうすると出場自体難しかったのかなというところがあって、出場の発表があった時、栗村大会ディレクターに直接電話をして『今年招待してもらえる可能性ありますか?』っていうのを結構早い時期に電話をしたことがあって、その時に恐らく海外チームを召集することができないので、コンチネンタルチームは少なくとも全チーム出場ができるだろうと話をしてもらったんですね。ある意味でブラーゼンにとってはTOJ出れるってすごいことで、このコロナ禍の中じゃないと出場枠を獲得することができなかったので、それでいうと本当にラッキーだったし、得られたチャンスって本当に大きいなというのを感じましたね。」

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監督としてチームカーのハンドルも握った若杉社長



― 出場が決まってからレースに向けて準備などをしたと思うのですが、具体的には?


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