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三菱地所JCLプロロードレースツアー2023 山陽建設佐木島ロードレース

■三菱地所JCLプロロードレースツアー2023 山陽建設佐木島ロードレース
会場:広島県三原市・佐木島
コース:10.5km×10周=105km
出走者:吉岡直哉、西尾勇人、佐藤大志、白尾雄大、湯浅博貴、小泉響貴
 
「佐木島ロードレース」は、広島県三原市にある佐木島を舞台にした初開催のレース。佐木島は、新幹線も停車するJR三原駅すぐそばの三原港から、フェリーで約40分の場所にある島だ。

須波港からフェリーで佐木島へ



 
そんな佐木島に設置された1周10.5kmの特設コースを10周、105kmで争われた本レース。前半と後半に上りがあるが厳しいものではなく、スプリント争いも十分にあり得るコースだ。




レースは序盤からアタック合戦の応酬となった。1周目にフォン・チュン・カイ選手(宇都宮ブリッツェン)、2周目に久保田悠介選手(ヴィクトワール広島)や鎌田晃輝選手(VC福岡)、さらに3周目にはレオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)選手などが先行するも決定的な動きとはならず。集団は一つのまま進んでいった。
 
ようやく逃げができたのは、レースが半分に差し掛かろうかというところ。約20人の先頭集団が形成された。サンブレイブからは西尾勇人選手、さらに吉岡直哉選手も逃げに乗ることに成功。レース前、鈴木真理監督は「吉岡選手、西尾選手を主軸にレースを組み立て勝負していく」とコメントしていたが2人は見事そのオーダーに応えた。


 
ただ、サンブレイブにとって決して有利な状況ではなかった。KINAN Racing Teamや宇都宮ブリッツェン、ヴィクトワール広島といった有力チームがそれぞれ3人以上の選手を乗せていたのだ。
 
この状況をみた鈴木監督は、すぐさまもう一つの作戦「プランB」を立てる。逃げ集団を吸収しスプリント勝負に持ち込めるよう、メイン集団にいた4人に前を追うように指示を送った。
 
「もし吸収し大集団スプリントになれば、人数的にはサンブレイブが有利。(逃げ集団で西尾選手、吉岡選手が勝負するよりも)小泉選手が力を溜めた状態でスプリントをした場合の方が、表彰台を獲得できる確率は高いと思った」(鈴木監督)。サンブレイブは2つのプランを持ち、レースを進めていった。

補給所から指示を送る鈴木監督


 
しかし、残り9周に差し掛かろうとする頃、強い雨が降り出した。時を同じくして、集団は活性化。落車する選手が続出し、西尾選手、さらに吉岡選手も落車。悔しいリタイアとなった。
 
その後、先頭集団はさらに人数が絞られ、最後は残った選手での小集団スプリントに。レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)選手が優勝を飾った。
 



目に見える結果は掴めなかったサンブレイブだが、明るい材料もある。本レースがJCL初戦となった西尾選手だ。鈴木真理監督も「今回、勇人が早い段階で逃げに乗ってくれた。彼の復調は大きい」と振り返る。
 
「膝のコンディションなどもありスロースタートとなった。ただ事前に(西尾選手に)、『エースの立場でもあるので、後半戦、チームメイトにしっかりとした走りを見せないと示しがつかない』と伝えていた」(鈴木監督)
 
その中でみせた今回の逃げ。西尾選手の動きはさすがだった。西尾選手自身はレース後、「僕自身、逃げに乗るのが得意なタイプ。逃げに乗るのは当たり前というか、そこからどう勝負を組み立てていく方が大事」と頼もしい言葉を口にした。


また、傍から見ていると鈴木監督の言葉は重荷になりそうなものだが、「今年で8年目。プレッシャーを感じなくなったというと違うかもしれないが、しっかりできて当たり前というか。若手選手に走りでみせていくという心構えは常に持つようにしている」とのこと。本レースに対しても「中々レースに参加できず、自分自身にとってはこれがJCL開幕戦。目立つというかしっかりとチームの役割を果たせたらと気合が入っていた」と振り返った。



 
ツール・ド・熊野やツアー・オブ・ジャパン、全日本選手権では若手の活躍が目立ったが、今回、西尾選手のようなベテラン選手が復調したことは大きい。
 
「レースは難しく、各チームや選手の思惑が入り混じる。経験がすごく大事になるので、そういったことを後輩たちに伝えながら結果を狙っていく走りを目指したい」(西尾選手)

新しいチームの戦い方がみえてきそうだ。

■リザルト
1 レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)2時間20分50秒
15 佐藤大志 4分19秒
20 湯浅博貴 4分26秒
21 白尾雄大 4分26秒
33 小泉響貴 4分50秒
DNF 吉岡直哉
DNF 西尾勇人


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