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金子大介選手インタビュー「ロードバイクへの一目惚れから始まった自転車人生」

ー本記事の作成開始8月中旬 公開日11月2日ー

2021シーズン那須ブラーゼン新加入選手。JCL第8戦湧水の郷しおやクリテリウムで那須ブラーゼン4年ぶりの優勝を掴んだ金子大介選手。TwitterやYoutubeチャンネルでは自転車の事だけでなく、私生活なども金子選手らしい構成で発信しておりSNSにおいても人気のある選手だ。海外チーム所属経験もある彼の自転車人生を聴いた。



ーまず初めに、自転車を始めたのはいつですか?きっかけは何ですか?

「高校卒業目前になって大学に行く気がなかったので、やることないなーと悩んでいた時に道で見かけたロードバイクに憧れてヤフーオークションで15,000円ジャンクレベルのロードレーサーを買ってから自転車にどハマりしました。その後親族に15万円借りて(毎月1万円返済)アルミのピナレロをヤフーオークションで買いました。サイズは3サイズくらい大きかったですが、とにかくピナレロのフロントフォークの曲線が美しすぎて一目惚れしました。」


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ー始まりは一目惚れだったんですね。その頃はどこによく乗りに行っていましたか?

「最初の頃は都内を走ってて目の前に現れたロードバイクに乗っている人全員を本気で抜かしに行ってました(笑)もちろん抜かされたら全力で抜き返すというスタイルで。」


ーその頃から負けず嫌いの性格が出ていますね(笑)その頃のエピソードで何か思い出深いものはありますか?

「街の自転車屋のスタッフさんと仲良くなったのですが一緒に峠に行こうということで人生初の峠、”ヤビツ峠”に行きました。その方はめちゃくちゃ体重の軽いザ・ヒルクライマーという方で『俺に勝ったら肉おごってやる』とのことだったので人生初の峠で人生初のバトルをしました(笑)最後の最後で"立ち漕ぎ"したら勝ってしまい帰りにそのままビッグボーイに連れていってもらいました!
そのすぐ後にその方とTOJ富士山ステージを観戦し、終わった後そのまま一人で富士あざみラインを登りました。
その時に『自転車選手って頭おかしいんじゃないか?』という事実に気づきながらもなんとかゴールしました。一応タイムを測っていたので峠にいたサイクリストの方に『何分でしたか?』と聞くと金子の方が全然速かったので嬉しかったです(笑)
おそらくヤビツ峠→富士アザミラインという峠デビューエピソードを超える人はほぼいないと思います(笑)
(無知って怖い)
あとは東京近郊でずっとトレーニングをしていました。」

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2014年 ボンシャンス所属 タイ合宿


ー一生忘れられない峠デビューとなりましたね。金子選手は2015年からプロとして活動されていますが、どのようにプロの道に進んで行ったのですか?

「5年間アマチュアチームで、主に東京で練習しつつ国内レースから始まりフランスのアマチュアレースも経験させてもらいっていました。冬は毎年新城幸也さんのいるタイ合宿にお邪魔して走り込んでいました。その後群馬グリフィンの立ち上げメンバーとして加入し、UCIチーム所属となりますが早速クビ宣告。クビでやる気を失うどころかイラッとし猛練習。その後のJプロツアーで3位に入賞し、マトリックスさんに加入することができました。」

金子さんみはまクリテ

2015年 美浜クリテリウム
(引用:シクロワイアードhttps://www.cyclowired.jp/news/node/182349


「プロになりたいというより、負けたくないと目立ちたいが念頭にありました。プロかどうかは周りの評価によると思うので自分でプロだと思ったことはないです。ただ、ある程度のプロとしての意識は持たないとなと思いました。」


―自転車のどんなところが好きですか?自転車の魅力は?

「ある程度なら一人で勝手に強くなれるところや、いろんな国に行けていろんな人に会えることですね。
今はどこにも行けないので寂しいというか苦しいというか、、」

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2018年 セブンイレブンRBP所属

ーきつい、辞めたいと思うことはありますか?

「2016年以降社会人レーサーより全然レースがない状態でさらに2020年になってレースが一度もありませんでしたが辞めたいと思ったことはないです。どこにそんなモチベーションがあるのか自分でも謎です。
多分特殊な遺伝子です。
ただ、これは確実に言えるのですが個人スポンサーやTwitterやファンのみなさんの支えがなければここまで来れなかったです。」


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2013年 ボンシャンス所属 ツールド熊野アマチュア総合優勝


ー自転車選手としての目標はありますか?


「まず大きな成績が欲しいです。那須のチームではありますが那須のみならず自転車界全体を盛り上げたいと思い活動してます。」

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2018年 セブンイレブンRBP所属 ツール・ド・北海道



―海外チームでの経験についてお聞きします。海外で活動する中で困ったことはありますか?

「日本と比べて海外は明らかにトイレの数が少ないしなかなか借してもらえないのは苦労しました。おそらく日本人って神経質な方が多いので回数が多いんだと思います、完全に自論ですけども。金子のだらしなさというかアバウトな性格は完全に海外の方が合ってると思います。あと、アジアの場合基本的に何が起きるかわかりませんのでとにかく人間力はつくと思います。
金子が思う人間力は不測の事態に対する適応力とか対処能力ですかね
引き出しが増える感じです。
なので日本に帰ってきてみんなが困ってるようなことが普通に感じてしまうので「それこうすれば良いじゃん」って言っちゃうようになりましたね
たまーに日本では通用しないこともありますが(笑)」


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2018年 セブンイレブンRBP所属


ーなにかトラブル等に巻き込まれたのですか?

「たくさんの細かいトラブルがありすぎて今ではもはやトラブルじゃないんじゃないかと思い始めました(笑)
夜中の3時にカツアゲされたり、監督がすぐ引っ越すと毎回言うけど結局2ヶ月間、熱帯夜を扇風機のみで過ごしたり、サイパンのレースでチームメイトに賞金盗まれたり、、、
500mlの"コブラ"というエナジードリンクを飲みまくってたら入院したのですが治った後にチームメイトに『それ飲みすぎて親族が死んだよ』って言われて『早く言えよ!』って日本語で怒りました(笑)そのあとからチーム関係者にコブラで死にかけた男っていじり倒されたのでまあ結果オーライですね
って全部フィリピン(笑)」


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ー海外に行って学んだことは何ですか?

「大きな学びといったら自分が感じる疑問に対して素直に追求するようになりました。『なんでこうなったの?』『こっちじゃダメ?』
とかです。流して後悔してたら嫌だったので大人の事情で納得せざるおえないときは心では全く納得しないようにしてストレス緩和させてます(笑)」


ー海外で沢山の刺激を受けて日本に帰ってきたわけですね。金子選手は那須ブラーゼンに今シーズン新加入しましたが、那須ブラーゼンには慣れましたか?

「そうですね、ブラーゼンのみならずどのチームでも慣れたことはなくて、
慣れるって競技面でいうと色んな意味であんまり良いことじゃない気がすると思っています。どうしてもある程度の距離感は意識的に作っちゃいます。
これはタイ合宿に毎年通う中でトッププロと過ごしていて自然と身につきました。
ケンカしたいとか全くとかそういうのじゃないので誤解しないでください(笑)わかりやすく言うと"連れション"してないで一人で行けよって感じです(?)」


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JCL第4戦 広島トヨタ広島クリテリウム


ーチームメイトでありライバルでもある存在。丁度良い距離感が必要なのですね。では那須での暮らしはどうですか?

「住居や移動手段として軽トラを用意してくださるなどチームとスポンサーさんのサポートがあって快適に暮らせています。とにかくありがたいと思ってます。
いままでブラーゼンが何年もかけて築き上げてきた地域との信頼をとても感じます。みなさんとても暖かく迎え入れてくれてとてもありがたいです。
それにコブラも売ってないので健康面では問題なさそうです(笑)」


ー最近始めたYoutubeの調子はどうですか?

「ろくに良い情報も出してないのに0.03万人もチャンネル登録してもらえました。これからどんどん有益な?動画出していきますので楽しみにしていてください。」


ーつい先日、JCL第8戦『湧水の郷しおやクリテリウム』で優勝を収めましたね。コメントをお願いします。

「まじで嬉しいです (笑)(笑)
チームメイトめっちゃ強くて自分はただ最後まで残って集団スプリントになったら頑張るっていう役割を担ってたので最後の最後までチームの力を使って優勝できました。
まじでチームの勝利だと思っています。
今まで出会ったいろんな国の選手や何年も応援してくれてたりする方々の祝福のコメントがすごくてSNS通知がすごいです。
7月にJCL広島クリテリウムで3位に入ったときは嬉しさよりは"まずは"という安心感が強かったのですが今回の優勝に関してはチームが本当にハマってくれたり展開にも恵まれて掴んだ勝利なのでまじで嬉しいです。
チーム加入して1年目ですがチームが喜んでるというか盛り上がってる感じがこれだけ嬉しいとは思いませんでした。
自分の場合は明らかに"金子ファン"の支えがあってこその活動なのでめちゃくちゃ感謝しています。
とにかく祝福ありがとうございました!
今後は個人YouTubeでたくさん自転車の情報出すつもりです
よかったらチャンネル登録お願いします!」

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ー最後に応援してくださっている方々に一言お願いします。


「イベントが少なくてなかなか会えないのでYouTubeを通じて金子大介を知ってもらえたらありがたいです。「かねこくらぶ」のチャンネル登録もお願いします。」




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