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漫画みたいな毎日。「何処へでも、何処までも。」

先日、知人のアーティストの方から、フランス・プロヴァンスの空を飛び、美瑛の空を飛んだ仔牛さん凧をいただいた。

「バドミントンやろうよ!」と夫を誘った子どもたち。
しかし、この日は、風が強くてダメだと戻ってきて、進路変更。

「この前、いただいた凧を飛ばしてみるよ。」

ちょっと風邪気味の末娘は家で留守番。夫と長男、二男で、近所の空き地へ出掛けていった。

私も、ちょっとだけ凧上げの様子を自分の目で見たくて、末娘も誘ってみたが、風邪気味の彼女は乗り気でない。では、ちょっとだけ見てきても良いかと尋ねると、あっさりと、「いいよ。すぐ帰ってきてね。」と言ってくれたので、寒くないように最低限の身支度をして、急いで空き地へ向かう。

空き地は背の高い草がすっかり黄金色になっていて、強い風に凪いでいる。
麦畑かと見間違えそうになるが、それは、たくさんの背の高い猫じゃらしである。青い空と、黄金色の猫じゃらしは相性がいいなと思う。

上がっている凧を間近に見たくて、草の間を走っていくと、私の足には、これでもかというほど草の実である引っ付き虫がくっついていた。

「チクチクするんだよね、このタイプ。」

といいながら、既に草の間を走り回って草の実だらけの二男と私は身体を折り曲げながら引っ付き虫を取り、土に還す。

遠くからでも、凧が上がっているのがわかる。

以前、子どもたちとビニール袋と竹ひごを使って凧を作ったこともあったが、なかなか上手く飛ばなかった。

しかし、いただいた凧は、悠々と青い空を散歩している。
仔牛が楽しそうに踊りながら歩いているようだ。

「さっきまでもっと風が強くて、手元の糸が全部なくなるくらい高く上がっていたんだよ!」

凧の様子をずっと見ていた二男と夫が話してくれた。

プロヴァンスや美瑛では、どんな風に飛んでいたのだろう。

長男が風を見ながら、凧糸を調整している。
二男が凧の行き先を追いかけ走っている。
その様子を夫と私は眺める。

彼らも、自分のペースで散歩する凧のように
風に乗り、自分の行きたい場所に、
何処へでも、何処までもいくのだろう。

風を見ながら、
走ったり、
歩いたり、
休んだりしながら、
自分の糸を調整していくのだろう。

空を歩く仔牛から、この世界はどんな風に見えているのだろうか。





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