中小企業診断士を目指したきっかけ①

 試験が終わって少し時間が出来たので(無事合格してました)、この機会に資格挑戦に至った経緯を振り返りたいと思います。

 私が資格取得に積極的になったのは、入社5年目のこと。
 それまでの私はとても褒められた社会人ではなく…
というよりも仕事に対する熱意や自己成長への意欲はむしろ同年代の社員よりも低かったと思います。

 そんな当時の私にとって人生の転機となったのは、地元の小規模製造業への出向です。
 誤解を恐れずに言えば、その企業はお世辞にも従業員のレベルが高いとは言えず、自分は大企業から来たエリートとしてお客様扱いを受けました。
 それもそのはず、4年制大学を卒業後、それなりの規模の会社に新卒で入社し、それなりの給与を貰っている……自分ではごく普通の社会人だと思っていましたが、地方の小規模企業ではそもそも大卒社員自体が珍しく、また新卒社員に至っては4~5年に一度しか入社しないというのがスタンダード。これまでいかに自分が恵まれた環境に身を置いていたのかということに初めて気付きました。

 そして、「エリート感」だけが先行し、当然のように教養があると思われ、当初は特に管理職や中堅社員の方々から、スポーツ、政治、経済の話題を振られることも多かったのですが、次第に資産運用や社会保障、税金、不動産など、日常生活を送るうえでの様々な質問・相談を持ち掛けられるようになりました。
 元来、どちらかと言えば口先は上手い方で、若さと元気さで、それらしいことを言っては何となくお茶を濁してきた性格の私なので、こうした会話自体は苦痛ではなかったのですが、ある日のこと、ふと気付きました。
 「自分って、専門性が全くないな・・・」と。
 「それなりの会社で、それなりの組織の中で仕事してきたことで、広く浅く色んなことを知っているつもりだけど、中身が薄っぺらいな・・・」と。
 「今まで会社の看板があるから、お客様に相手にして貰えたけど、この看板がなくなったら、自分には何にもバリューがないな・・・」と。


 そして更に決定的な事実に気付きます。
「この小さな会社の従業員たち、自分たちの仕事に対する知識、熱量、誇りが凄い・・・」。
 私がこれまで、自分の経歴や会社の規模に守られ、組織に安住している間に、この人たちは恵まれない環境の中、自分自身に真摯に向き合って、仕事に対して誇りを持って取組んで来たんだということに気付かされるのです。
—――――――――—――――――――――—―――――――――続く

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