話し合いは大事
お久しぶりの投稿になります。サンファーム泉の桐生です。
31本の果樹が伐採される
私たちの畑は、全て五泉市内にある耕作放棄地を再利用してアロニアベリーの果樹を植えています。
その為、国道沿いにある畑や山奥の畑まで、合計何か所になるんだろう??パッとは私でも出てきません。
とにかく点在しているわけです。ただ昨年末、国道沿いの果樹に対して非情な通告が言い渡されます。
まあ、ここまで非情な書き方はされていませんでしたし、事前に電話連絡もいただいていたので、県ないし国の方々を責めるつもりはありません。
ただ国道沿いに面している果樹は一番の古株たちで、代表が今の事業を行う際、一番初めに植えた果樹たちでした。
長い年月をかけて、1本あたりの収量を数キロにまで増やしてくれた私たちの会社の稼ぎ頭の果樹たちでした。
これが切られる。真っ先に反対したのは私です。収量にして100キロ越えの生産物が未来永劫消え去ります。
100歩譲って切られるのは致し方ないとしても、根からどこかに移せないか?と代表に話をしますが、代表は
「大きくなりすぎたこの樹をどこかに移したところで、根を張り直すことは無い」
と取り付く島もない返答。ただそれはアロニアを十数年育ててきた人の言葉でしたから、それ以上私が口答えできるものではありませんでした。
ただ知人を頼って、植えなおす土地を何とか見つけられないか。検討を重ねていました。
そんな折、土地の買収を担当なさっている県から補償に関する連絡が来ました。この夏のことです。
補償は〇〇円になります
具体的な数字は伏せますが、驚きを通り越して怒りという感情も抱かず、ただ笑ってしまいました。
あまりに安すぎる。サンファーム泉では収穫したアロニアベリーの大半を加工に回します。ただ一部、冷凍果実として販売もしています。
それでも1キロ1,600円での販売です。冷凍果実として販売したとしても、最低ラインで年間16万円は売上げが立つ商材にの補償としてはあまりにも低い数字でした。
また話を進めていく上で、こちらで伐採を行い、産業廃棄物として処理してほしいということも判明しました。
そうした諸経費を込みで見てみると、補償金は、あってないような提示でした。
工事を進められる方には申し訳ないですが、私たちにも生活があります。受けられませんと返答しました。
2回目の提示額が、1回目の倍でした。どのような計算のもとそうなっているのか詳細を知りたいとお聞きしましたが、
「詳細な計算式に関しては開示できません。」
という返答だけでした。半月足らずで倍になったのです。果樹の補償分を上乗せしてくれたということでしょうか?だとしても少ない提示額でした。
3回目は、そこにさらに上乗せされた数字でした。ただ、我々の考える金額とは大きく乖離していました。
そこで我々の考えをお伝えする為に、「年間これだけの収量があって、この商品を製造したらこの金額、この商品としたらこの金額。資産価値はこの程度ですよ。と事細かに計算した陳情書を相手方に提出させていただきました。
相手方は
「我々も税金でやっているお仕事ですからとてもこんな金額、お支払いできません。」
と仰っていました。が、上述した通り私たちにも生活があります。ぼったくるつもりなど我々の側にもありません。
それこそ地方財政がひっ迫している実情も、浅いながらもニュースを通じてですが理解はしているつもりです。
だから我々の考えうる最低の金額を計算してお出ししました。
それから2か月近く待ったでしょうか。先日、ようやく返答がきました。
なるべく切らなくて済むよう、工事計画を見直す方向で進めています
31本すべて残します。とは流石にいかないようでしたが、それでも嬉しい譲歩案でした。
話し合いは今もなお続いています。
面倒なことだけれど、大切なことです。自分たちの主張はハッキリと持つべきです。
また対話することで、切る切らないの2択から、新しい折衷案が生まれることもあるのです。
話しましょう。お役人さんだって人間です。変な態度を取らなければ、私たちの考えもなるべく汲もうとしてくださいますよ。
会話大事。
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