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推しで始める2023年③

一番肝心な章を書くのが遅れました。2ヶ月前って…びっくらぽん。


前回はこちら↓


さて、まず初日のキャストがこちら。

ついでに翌日も見たので、そのキャストがこちら。


そうです、私はどうしても井上芳雄さんの演じるトートが見たくて
博多座まではるばるやってきたのでした…!


初日はお隣に小さな女の子とそのお母さんがいらしたのですが、
前の席に座っていらした方がその親子に「たぶんお子さん用にクッション借りられると思いますよ…!」とそっと声をかけていたのを見て
なんて優しい世界…となりました。

会話はお控えください、なご時世だけど、
こういう優しさに触れるとやっぱりちょっとホッとしてしまいます。


舞台セットを見るだけでもうジーンとしてしまう開幕前。

開演前アナウンスが流れて、しばし静寂。

その中を、トートダンサーと呼ばれる役の方々が静かに舞台に向かって歩いてくる音が微かに聞こえると、
自然とゾワゾワっと鳥肌が。

これです待ち望んでいたのは!!!



皇妃エリザベート、通称シシィ。
彼女を実際に暗殺した男ルイジ・ルキーニを狂言回しとして、
彼女の人生をたどっていくこのミュージカル。

彼を狂言回しにして、
さらに彼女を死へと誘惑する存在として架空の死神トートを加えつつ
他はしっかり史実に基づいている、という構成は
何度見ても、つくづく天才だと思う。

そして曲の良さ。
メロディーに頭にこびりつくような中毒性があるんですよ…なんだろう。もはや魔力だよ。



そんなトート役を演じられた井上芳雄さん。

多忙すぎるが故に稽古する時間あったのか???と巷で噂になっていましたが、
カーテンコールでさすがに稽古はしてます!とのご挨拶で会場は笑いの渦に。
いやみんな一度は思ったよね(笑)

そんな井上さんですが、
やはりこの方のトートはすごい!!!!

歌の素晴らしさはもう十分知られるところですが、

指先まで徹底された所作の美しさと漂う不気味さ、
人間をいたぶって笑うサディスティックさ…

2019年に見た時にもう役として完成されてるな…と感じていましたが、

いや超えてきたわ。すさまじいわ。


音響が風呂場か???ってくらいエコーかけてくるのは気になりましたが、
いやはや、素晴らしかったです。


そして。
エリザベート役とその夫フランツ役はダブルキャストどちらも拝見。


初日は愛希れいかさん(ちゃぴちゃん)と佐藤隆紀さん(シュガーさん)。

ちゃぴちゃん、歌唱が前に比べてさらにレベルアップされた気がする…!

愛らしさと強さ、そして時折見え隠れする脆さのバランス。
幼い時の演技もかわいらしいのですが、歳を重ねてからの演技が個人的にグッときました。実年齢より程遠いのに、すごいなあ。

シュガーさんの歌声は誰がなんと言おうと国宝認定です。
なんて深みのあるいい声なんでしょう…


フランツ、本人にも非はあったのだろうとはいえ

周りに癖強めな人しかいなくない??と
その苦悩を思わずにはいられなくなりますね…



2日目は花總まりさんと、田代万里生さん。

個人的な黄金キャストです。好きがすぎる。

少女の時の愛らしさ、そしてやがて芽生え始める自我。
やがて得ていく自信と、傲慢さと、
それでも満たされない虚しさ。

もう見ているこちらも感情がぐちゃぐちゃになります。

ちゃぴちゃんの方がやや意志強めで、
花總さんの方がどこか儚さを感じるシシィでした。

ダブルキャストの醍醐味だなあ。


万里生さんの歌声もまあ何度聴いても素敵な声でして。

シシィに対する「やあ!」という爽やかな挨拶だけで
もう今日はほぼ元取れたな…という気持ちです(え?)


年齢を重ねていく芝居が声も含めてあまりにリアルで、
その苦悩におもわず思いを馳せてしまいます。。



もうね。

博多まで遠征した甲斐がありました!!!本当に!!!!!


上演中止のお知らせに怯えながらの遠征でしたが、
ちゃんとこの目で、あの舞台を見届けた。

その事実が嬉しくて幸せでたまらなくて。
今も思い出してはふうっと幸せのため息が漏れる、そんな遠征でした。


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