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上司の心得

背中を見せる

 部下を持ち、指導をする立場になった方にお伝えしたいことを書きたいと思います。私自身も日頃から注意していることですが、何事もやって見せて教えてほしいと思います。口ばっかりで行動が伴わないことにならないようにしなければなりません。口ばっかりの上司は尊敬されませんし、反面教師として参考にされるだけになってしまいます。
 要は、「売上を上げなさい」と言えるのは、「売上を上げている人だから言えるのだ」ということです。売上を上げられない人、売上の上げ方を知らない人から、何を教われるのでしょうか。売上を例に話しましたが、勤務態度、接客に対する心構え、商品に対する取り扱い方など、仕事全てのことに言えます。ですから、部下を持ち、指導する立場になるということは、責任が一気に大きくなり、たいへんになります。
 人それぞれ得意、不得意がありますので、部下よりすべての事を上回っていなさいと言っているわけではありません。もちろん体力など若さには敵わない部分があると思います。ですが、不得意を得意に変えようとする努力は上司になっても継続していかなければなりません。
 上司になると責任は大きくなるのですが、上司という新たなステージで今までの自分では見えなかった様々な気付きに出会うと思います。仕事を通じて自己研鑚をし、自分を大きく成長させたい方には、絶好の機会です。背中を見せるべき部下がいることで、きっと、あなたは急激な成長を遂げることになると思います。少しずつ背中が大きくなり、後姿がかっこよくなっていくことでしょう。

部下の指導方法

 部下に対する指導の仕方ですが、これといったやり方はありません。人それぞれなので、あなたが得意とする方法で指導を行って下さい。
 厳しくして人を引き付ける方もいるし、優しくして導く方もいるし、頼りなさそうな上司を見捨てられなくて部下が育つ場合もあるし、色々な正解があります。ですから、あなたらしく、部下に対して接していただければ良いと思います。
 部下は会社にとってとても大切な人材ですので、注意をしてほしい点を挙げておきます。

① ハラスメントにならないようにすること
 セクシャルハラスメント(セクハラ)、パワーハラスメント(パワハラ)など様々なハラスメントがあります。セクハラは仕事には関係のない内容ですので、絶対に起こらないように気をつけるべきです。仕事の指導や業務後の飲み会などでもハラスメントと捉えられる場合があるようですが、相手が精神的、身体的苦痛と感じればハラスメントになりますので、相手の性格やタイプを見定めて、バランスを図りながら仕事の向上に努める必要があります。

② 自己の都合で怒るのではなく、相手を思いやって叱ること
 競馬やパチンコに負けたり、奥さんと喧嘩をしてしまった等、個人の理由により職場で不機嫌なのは論外ですが、部署の売上が悪く社長に怒られただとか、許容範囲を超える仕事を任されて切羽詰っている等で不機嫌になることがあると思います。部下に当たってはいけません。部下が原因でそのようになっているのでしたら、冷静に指導を行い、改善を図れば良いと思います。

③ 口ばっかりで行動が伴わないようにならないこと
 頑張っていない人から、「頑張りなさい」とか「あなたはなぜ頑張らないの?」と言われても心に響きませんよね。もし、部下が指導通りに動いてくれない時は、あなたの行動に原因があるかもしれません。責任ある行動をすることが肝心です。

④ 他人がいる前で叱らないこと(苦情対応でわざとの場合は除く)
 感情が高まり怒りを覚えることがあると思いますが、常に冷静を務めるようにしてください。頭に血が上って、余計な言動を言ってしまったりしないようにしてください。その言動で相手が傷ついてしまったら、それはもう取り消すことはできません。心のどこかにキズとして残ってしまうかもしれません。ですから、常時冷静でいられるようになってください。怒鳴っていても、その怒鳴っている自分を客観的に判断する余裕を持たなければなりません。
 叱るにも、場面を考えて叱ってください。他の従業員がいる前で叱るのか、他人が聞こえない場所で叱るべきか、後々の事までを考えて行ってください。

⑤ 手に負えない時はあなたの上司に相談すること
 自分だけで背負い込んではいけません。部下があなたに相談をするように、あなたもあなたの上司や同僚に相談をして、大きな問題に発展する前に対処するべきです。

⑥ 定期的にあなたの上司に指導状況を報告すること
 上司に報告すれば自分の指導が正しいのかを確認できますし、もし修正点があれば的確なアドバイスをいただけると思います。

 自分が新人の頃を思い出してみて下さい。仕事に慣れていないなど様々な要素がありますが、何で指導されている(叱られる)のか理解できなかった時期があったと思います。納得できていないまま、やらされていると思ってやっていたこともあると思います。それが今となって見れば、指導された理由が理解できたり、やらされているのではなく私が苦手な分野を克服できるように課題をもらっていたことに気付いたということがありますよね。同じように、部下はその場ではなかなか理解できないし、反発してくることもあると思いますが、あなたと同じように成長と共に理解してくれますので、長い目で見て指導を行って下さい。

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