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18-19 PL 第31節(延期分) Wolverhampton × Arsenal

前節で勝てば3位浮上となるチャンスを敗戦で逃し現状5位のアーセナル。今回も中2日とハードスケジュールで迎える今節で勝利を挙げれば4位浮上。まだここから全勝すれば自力で4位を確保できる状況だ。対するウルヴスは今シーズンの昇格組ながら現在暫定で10位、勝てば7位浮上でEL出場権も狙える位置。今シーズン好調を維持しており、特にTOP6相手に強さを誇っている。しかもアウェイということで、アーセナルとしては戦前から厳しい試合になることが予想されている。
何とか勝利を勝ち取りたいアーセナルだが、オーバメヤンは鼻の状態が悪いとのことでベンチメンバーから外れており、サブメンバーには攻撃的な選手がヌケティアしかいないアーセナル。難敵相手に勝利を挙げることができるか。

PLでの前回対戦時レビューはこちら
18-19 PL 第12節 Arsenal × Wolverhampton

■チーム概要

【HOME】
・ウルヴァーハンプトン(監督:ヌーノ・エスピーリト・サント)
フォーメーション
基本:3-5-2
保持:3-1-4-
非保持:5-3-2

【AWAY】
・アーセナル(監督:ウナイ・エメリ)
フォーメーション
基本:4-2-3-1
ボール保持:2-5-3
ボール非保持:4-4-2

■前半の試合展開

アーセナルは2CB+2CHを中心にビルドアップ。対するウルヴスは3-5-2で守る。アンカー気味のルベン・ネヴェスがエジルをマンマーク気味に、3センターの両脇がアーセナルのCHケアしつつサイドへ誘導する。ウルヴスの中央の守備が硬いことでアーセナルはサイドからの前進を強いられるが、そこは両WBがしっかりと蓋をして簡単に運ばせない。

アーセナルはサイドから揺さぶりつつ、何度かペナルティエリアへ侵入するも、ウルヴスの中央を固めた守備を前になかなかシュートまでいけず。80%以上のボール保持率を記録するも、前節と同様ボールを持たされるような展開に。

前半26分、やはりサイドで蓋をされて引っ掛けたところからウルヴスのカウンター。ジョタが持ち込んでホニーにパスが出たところでモンレアルが何とか止めるもこれがファールとなり、ゴール前正面の良い位置でフリーキック。これをルベン・ネヴェスがゴール左へ見事に蹴り込み直接ゴール。ウルヴスが先制に成功する。

先制点を奪ったことで勢いを増すウルヴス。36分にはサイドチェンジからジョタとホニーの2枚だけでサイドを突破しチャンスを演出。これがコーナーキックに。このコーナーキックをショートコーナーでつなぎ、角度をつけた状態からホニーの蹴ったクロスをドハーティが頭で合わせてゴール。ウルヴスが追加点を奪う。アーセナルは前節と同様、セットプレーでの守備の脆さを突かれる形に。

更に前半アディショナルタイム。自陣でのジャカのパスミスからジョタにボールを拾われ、ソクラティスがあっさりとかわされてGKとの1対1を決めて3点目。苦手としているアウェイ戦とはいえ、アーセナルはまさかの3点ビハインドで前半を終える。

■後半の試合展開

いつもであればこれだけ劣勢となると2枚替えで戦術やフォーメーションを変更することの多いエメリだが、今節はオフェンス面で切れるカードがヌケティアぐらいということで、メンバー、フォーメーション共にそのまま。

後半も前半と同様の展開は変わらず。ウルヴスは3点のリードがあるということもあり、しっかりと守ってカウンターを狙う形。打開策が見いだせないアーセナルは59分にようやく動く。ムヒタリアンを下げてコラシナツ、トレイラを下げてゲンドゥージを投入。フォーメーションを3-4-2-1へ変更する。それでも大局は変わらず。71分にはイウォビを下げてヌケティアを投入しフォーメーションは3-4-1-2へ。早くも3枚の交代カードを使い切る。

80分にアーセナルがようやく反撃を開始。ゲンドゥージの相手陣地でのパスカットからチャンスを迎え、コーナーキックを獲得。ジャカが蹴ったそのコーナーキックをソクラティスが頭で合わせてゴール。アーセナルがようやく1点をもぎ取る。

しかし、その後はなかなかウルヴスゴールへ迫れず。結局3-1のまま試合終了。アーセナルはCL出場権を争う重要な終盤戦で連敗となってしまった。

■試合結果

Wolverhampton 3 × 1 Arsenal

■得点
28分:ルベン・ネヴェス
37分:ドハーティ(アシスト:ホニー)
45分+2分:ジョッタ
80分:ソクラティス(アシスト:ジャカ)

■交代
58分:ムヒタリアン → コラシナツ
59分:トレイラ → ゲンドゥージ
71分:イウォビ → ヌケティア
78分:ジョッタ → カヴァレイロ
82分:ヒメネス → トラオレ
90分:モウチーニョ → ギブス・ホワイト

■まとめ

しっかりと守備から入り、カウンターから得点を狙うウルヴスの戦術が見事にはまった試合。中央を締めてサイドへ誘導、サイドではWBで蓋をしつつCHで挟み込んでボールを奪取する狙い。

さらにウルヴスはカウンターもしっかりと設計していた。アーセナルのボール保持時にウルヴスの左サイドへ誘導。アーセナルの右サイドを上げさせておき、ボール奪取後はその空いたスペースにスピードと突破力のあるホニーとジョタを侵入させ勝負をしかける。1点目のフリーキックをを得た際のカウンター、2点目のコーナーキックを得た際のカウンター、3点目のミスを確実にゴールに結びつけたショートカウンター、全てウルヴスの左サイドを中心としたオフェンスだった。

振り返ってみれば、ウルヴスとの前回対戦時も同様の形でアーセナルの攻撃をシャットアウトしていた。過密日程でのコンディション不良、怪我による攻撃的な選手の駒不足などの影響もあるが、シーズン序盤と同様の守り方で同じように守りきられ、結果敗れてしまったのはチームとしての成長が無いと突きつけられたようで非常に残念だ。

勝利すれば前節では3位に。今節では4位に浮上するチャンスだったものの、両試合ともに敗戦。その結果アーセナルの順位は5位へ後退。残り3節すべてを勝利しても自力での4位獲得が不可能になってしまった。

残り3節中2節は苦手のアウェイ。CL出場権獲得へ向けて、ELでの優勝を勝ち取るためにプレミアリーグを捨ててコンディション調整にあてるのか、もしくはプレミアも諦めずに4位以上を狙いに行くのか、はたまた両方共に諦めず、残りの試合すべてに勝ちに行くのか。エメリの手腕が試される終盤戦になる。