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香りはすれども姿は見えぬ


香りはすれども姿は見えぬ


金木犀の始まりは

どこからともなく

フワッと通り過ぎる香り


あ!金木犀が始まった

キョロキョロ探すけれど

決して姿は見せぬ




幼い頃は

「運動会の匂い」だった


実家の玄関先にあった金木犀の木

ちぎっても怒られないから

摘んでは鼻に近づけてた


実家を出てからは
香るたびに思い出すあの頃

母の笑顔と
運動会のワクワク感
リレーのドキドキ感


湿気が去り
乾燥した空気の中

漂う香り

夜に出会うと不思議と色気を感じる香り


この香りが秋を深めるのだな


よその家の庭の金木犀の木を探しつつ 

愛犬ショコラの散歩するのが

最近のお楽しみ




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