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【旅】旅するように仕事して

  朝7時台の特急ときわ51号で勝田へ。
  仕事依頼をいただいた時、ひたちなか方面とあったのと、勝田の駅名が不勉強で一致していなかったが、水戸の先というか那珂川を挟んですぐお隣。それでも、たっぷり1時間半以上ある。9月も半ば過ぎたというのに、まだまだ、夏の酷暑をひきずる朝だ。

  駅のコンコースや階段には、旅情をかきたてるさまざまな掲示物がある。旅することさえままならなかった悪疫下の三年は、そんな掲示物が、駅長や駅員からのメッセージに姿を変えていた。

  あぁ、そうか、石岡のおまつり、か。

  全面におおきく獅子があしらわれたそのポスターは、茨城石岡のおまつりのもの。落語や友人をきっかけに知己を得て、石岡のおまつりには何度か足を運んだ。もちろん、悪疫前のはなし。品川から1時間ほどでその石岡、左側に駅舎が見えたところで、石岡の消防署に勤務する友人にLINEをすると、祭礼の本部詰めとのこと。それから30分ほどで、水戸から勝田に入る。午前中とはいえ、すでに蒸し暑い。

  昨年の敬老会に出演依頼をいただき、しつこい悪疫のために流会。わざわざ自治会長さんが東京での独演会に足を運んでくださり、来年、つまり今回の敬老会の出演をあらためてご依頼いただいた。10時からの敬老会は落語会と食事をふくめて2時間とすこし。帰りの特急は12時47分。以前、落語会で知り合い、石岡のおまつりでもご自宅に招いてくださっIさんに連絡してみると、石岡にむかってるところとのこと。石岡に寄ろうかと、と、返すと、ふたつ返事で歓待してくださった。

  ご自宅では、ひさびさにおかあさまにお会いして、あれからお亡くなりになったと聞いていたおとうさまの仏壇にも手を合わせることができ、ビールからお酒、Iさんのご友人も加わり、山車や獅子舞を見ながら総社宮を参拝、また、乾杯…急なこともあり、翌朝早かったため、まつりはこれからという時に石岡を出ることになりましたが、帰りの電車で「コロナの前はこんな風に仕事してたなぁ」って。

  旅先にはいいひとがいて、いい風が吹いていて、いい酒も、いい肴も、どこへ行ってもかならずあって。そんな日々をつくってきたのがいままでの25年だったら、これからの25年でまたつくっていこうと。

  あたらしい日々の、はじまりのような一日でした。

書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。