ステラおばさんじゃねーよっ‼️㊸雪山にて〜神林高原スキー場
👆ステラおばさんじゃねーよっ‼️㊷余命と食欲 は、こちら。
🍪 超・救急車
冬の素材をふんだんに使った懐石料理を堪能しながら、一緒に酒も楽しんでいた。
全国の珍しい日本酒を味見していくうちに酔いが廻ったらしく、ポーちゃんはすでに赤ら顔で呂律が回らない。
「さっきブラーックにぃ、電話したらっさー、聖センセの戸籍調査ぁー、終わってねぇって!せぇっかく有給3日も取ったんだーからさー、明日はカンちゃんちのスキー場でっ雪遊びしよー!」
「ウタ、それ良きかな〜っ!」
ひかりは酔っ払っても、言葉の端々に品がある。
日和見主義のカイワレには、ふたりの決定に異論はなかった。
ひかりさんちのスキー場って、多分テレビCMでやってた《神林高原スキー場》だろうな。
♪カンカンカンカン スキー 好き♡
カンカンバヤシの スキー場〜♬
『雪が溶けるほど、スキー⭐︎して!』
そのCMは首都圏エリアでは有名で、カイワレの頭にはその曲が流れ出した。
神林家率いる神林グループには凄まじい財力があり、それはこの国では周知の事実。
あ、そういえば昨日車で飲んだあの水!
ペットボトルのステッカーに《ひかりの水辺》って書かれてた。
もしやスキー場に連なる山の湧水でも使って、製造販売してるとか!?
そもそもそんなひかりさんとポーちゃんて、どこで出逢ったんだろう?
謎がますます深まり、カイワレは腕組みした。
⭐︎
起床は7時とスケジュールにあったものの、6時50分頃から穏やかなクラシック音楽が邸内に流れてきた。
夢と現実(うつつ)の狭間にやさしい音楽が入り混じる中、カイワレはガバッと起きてみたが、夢の要素はやはり、まったく覚えていなかった。
「やっぱだめか〜。朝飯いこ!」
ダイニングルームに入ると、イングリッシュマフィンの香ばしい匂いに包まれた。
ポーちゃんは席でひかりとイチャイチャしながら、先に食べ始めていた。
「はい、たいちゃん寝坊〜!あとで罰ゲームね!」
焼きたてのマフィンに、地元の採れたて野菜やらその場でシェフが作ったオムレツやら自家製ベーコンなどを挟み、ガブリといく。
食後に出たカフェオレは、神林牧場で今朝絞ったばかりの牛乳を使用しているそうだ。
「スキーかスノボ、どっちにする〜?!」
腹も満たされご機嫌ポーちゃんは、朝からパワー全開だ。
「いや俺、スキーしかやった事ないし!ウェアも道具もないよ」
「スキー場には、用具一式を貸してくれるお店があるのでご心配なさらずにね」
GFバーガーのシンボルのように、ひかりはカイワレへ女神の微笑で応えた。
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