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ステラおばさんじゃねーよっ‼️73.シアワセノカタチ〜初100点

👆ステラおばさんじゃねーよっ‼️73.シアワセノカタチ〜夢を覚えている は、こちら。



🍪 超・救急車



「おはよう」

カイワレは知波に挨拶だけすると、気もそぞろに転がったノートと万年筆を見つける。

「ヨシ!」

今見た夢の記憶があるうちに書き残そう、と長年開かれなかった表紙に、カイワレは折り目をつけた。

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「ねぇ母さん!俺、はじめて夢日記を書き残せたよ!!」

ノートを広げて、知波に見せた。

知波は、

「わぁ、良かったわね!…後でゆっくり見せてね!!」

と満面の笑顔で応えた。

まるでテストで初めて100点をとって喜び合う、母子のようだった。

⭐︎

つい数分前。ーーー

知波は、寝ている太士朗の顔をのぞき込んでいた。

まったく起きる気配はなく、幸せそうな寝顔だ。

太士朗は、以前知波が使っていたリビングソファで眠っている。

かわいいわたしの息子…。

待ち望んでも訪れなかった奇跡のシチュエーションが、今目の前に!!

いとしい息子の寝顔をまじまじと見た時、知波の頬から熱い熱い涙がこぼれ落ちた。

当の息子は、安らかに眠ったまま。

姉さん!本当にわたし、幸せだわ…。

カイワレの頬に落ちた涙をそのままに、知波はキッチンへ向かった。

⭐︎

「たい兄、なんか機嫌良さげ!」

歩がトーストをかじりながらそう言うと、カイワレは歩にも自慢げに【夢記録】ノートを見せて、

「ジャジャーン!今朝の夢が覚えてられましたー!!」

と満面の笑顔で伝えた。

「えぇー、スゴイじゃん!おめでとう!!」

歩も一緒に喜んだ。

そして、言った。

「じゃあ、あのSNSで報告しなきゃだね!かわいい妹のおかげで、夢を記録する事ができちゃいましたー!って」

「そうだな…。最近、投稿してなかったし、プロフィール欄に担当雑誌の連載アピールでもしておこうかな…」

「いいね!きっと、スゴイ反響があると思うよ!!かわいい妹の件(くだり)も入れてねー♡」

カイワレは失笑しながら、歩を見た。

歩もある読者層では有名人?の兄の妹、という立場にちょっぴり気色ばんでいた。

⭐︎

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@捨てLa

《夢(感覚)日記》ついに!今日の夢は、覚えていられた!!人生初だ!!!嬉しスギる!!!!!そして、夢のなかで懐かしい人にふたたび出会えた。…告知遅くなりましたが、某有名女性雑誌にて、『夢占い♡夢日記』、通称《ゆめ♡ゆめ》絶賛連載中!(プロフィール欄参照)!次号もお楽しみに!

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カイワレは久々にSNSへ投稿した。

数分後、スマホの振動が止まらないくらいのフォロワーが集まり、一気に数千の人々がカイワレのアカウントをフォローした。

うわ、スマホ、コワ!…ずっと、震えてる。有名になるって、こう言う事なのか?!

相変わらず名誉欲には関心が薄く、淹れたてのコーヒーで口をすすぐカイワレであった。

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