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鴨川に「等間隔」で並ぶ

昨日京都に旅行し、カップルが等間隔に並ぶことで有名な鴨川を訪れた。夏に見たときは、人が多かったのもあってか、あまり等間隔ではなかった印象だったが、昨日はかなり等間隔で並んでいた。この等間隔にならぶことについての論文を見つけたので、医学とは直接関係ないがまとめてみる。また「傾斜面に着座するカップルに求められる他者との距離」という論文もあるので、いずれまとめてみたい。

鴨川の「等間隔」カップル

1. 彼女が左で、彼が右

1995年に投稿された、本多正尚氏の論文である。この論文によると、本当に等間隔なのかについては統計的な有意差が得られず、平均的な間隔も記載がないようだった。ただし、面白い点としては、男が右、女が左に座っている確率が高いとの記載があった。昨日は男女がどちらに座っているかは見なかったが、思い返してみると、居酒屋やバーのカウンターで横並びになっている時、男が右で女が左に座っていることが多い気もする。男が右、女が左になる理由として挙げられていたのが、女性は男性に掴まりやすいよう利き手を男性側に
、男は利き手で女性を守るため(右手が空くように)並ぶ、というものだった。1990年代の論文であり、現在は少し考え方が変わってきているようにも感じるが、なるほどと思う説である。もう一つ挙げられていたのは、雛人形など日本の古来からあるものは、「男が右・女が左」に配置されるものが多くその影響を無意識に受けている、というものだった。

2. あんたら何すんねん

上記のサブタイトルを付けて投稿された論文では、2人が作る空間がどのよう広がりをもっているのかを明らかにするため、サクラを用いた実験を行っている。他者が近づいてきた場合の反応を調べるために、わざわざサクラまで用意しているのが、真剣なのだがとても面白い。カップルの隣に別のカップルが座ったら、どんな反応を示すのか。この実験では1m隣にサクラが座り、10分以内に立ち去るかを見ている。結果としては、半数以上は移動しなかったようだ。あるサイトを見てみると、鴨川では平均1m程度の間隔を空けて並んでいるそうである。日本人は、意外と狭い空間に耐えられるのかもしれない。

<参考文献>
本多正尚(1995)、鴨川の「等間隔」カップル(Ⅰ)、日本社会心理学会代36回大会発表論文集
本多正尚(1997)、鴨川の「等間隔」カップル(Ⅲ)、日本社会心理学会代38回大会発表論文集

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