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「かき」の食べ過ぎにご注意を~柿編~

これからの時期、食べる機会が増える「かき」。
果物の「柿」と海鮮の「牡蠣」、いずれもお腹の症状を起こすことがある。
今日は果物の「柿」について。

生柿

「腸閉塞」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
腸が悪性腫瘍(がん)や便などによって詰まってしまう病気で、腹痛を起こす。腸閉塞と診断される中には、食べ物が詰まってしまった人もおり、全体の0.3~1%程度である。柿を食べすぎると、この腸閉塞を起こすことがあるのだ。

柿以外で腸閉塞を起こしやすい食べ物は、餅、海藻、種子、こんにゃく、きのこ類などが挙げられ、消化されにくく、水分を含むと膨化する特徴を備えているものが多い。これからの時期にはおでんやお雑煮を食べる機会も増えてくる。食べた後1日以内に強い腹痛や吐き気が出ることが多いため、もし当てはまるようであれば早めの病院受診が望ましい。

とはいっても、これらの食べ物はおいしいし、食べたい。どうやったら防げるか?食べ物による腸閉塞は、よく噛まないで食べることに原因があることが多い。つまり、早食いの人で丸呑みしがちな人、歯がなく噛めない人に起きやすいので、よく噛んで食べること。腸閉塞になると手術が必要になることもある。大事なことなのでもう一度。よく噛んで食べること。

干し柿

干し柿自体も上記の腸閉塞を起こすことがあるが、干し柿の成分である「タンニン」が原因で腸閉塞を起こすことがある。これは「柿胃石」とよばれるものが原因だ。

「胃石」とは、食べ物の成分が胃内で化学的な変化を受けることにより、溶けにくい塊をを形成したものである。胃石の約70%が柿によるもので、柿に含まれる「タンニン」が関与していると言われている。この胃石が胃から流れ落ちて、腸に詰まってしまうことがある。つまり柿は、そのものが詰まることもあれば、成分の塊が腸に詰まることもある。

柿胃石は、成分によるものなので、よく噛んで食べることで予防ができるわけではない。予防はただ一つ。食べ過ぎないことである。

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