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抗がん剤各論~アルキル化剤~

アルキル化剤はマスタードガスの研究から開発された抗がん剤で、主に血液疾患に用いられる。適応に消化器病が記載されているものもあるが、実際に消化器癌で使われることは多くないため、今回はサラッとだけ。

作用機序

DNAをアルキル化する(2本のDNAを異常な形で結合させる)ことで、DNA複製を阻害する。

種類(適応は添付文書より)

イホスファミド

肺小細胞癌、前立腺癌、子宮頸癌、骨肉腫、再発又は難治性の胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)、悪性リンパ腫、悪性骨・軟部腫瘍、小児悪性固形腫瘍など

シクロホスファミド

多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、肺癌、乳癌、急性白血病、真性多血症、子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌、神経腫瘍(神経芽腫、網膜芽腫)、骨腫瘍、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、咽頭癌、胃癌、膵癌、 肝癌、結腸癌、睾丸腫瘍、絨毛性疾患(絨毛癌、破壊胞状奇胎、 胞状奇胎)、横紋筋肉腫、悪性黒色腫 、乳癌、褐色細胞腫、急性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、重症再生不良性貧血、など

ダカルバジン

悪性黒色腫(メラノーマ)、ホジキン病(ホジキンリンパ腫)、褐色細胞腫

テモゾロミド

悪性神経膠腫、再発又は難治性のユーイング肉腫

ニムスチン

脳腫瘍、消化器癌(胃癌、肝臓癌、結腸・直腸癌)、肺癌、悪性リンパ腫、慢性白血病

ブスルファン

ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、神経芽細胞腫、悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療、同種造血幹細胞移植の前治療

プロカルバジン

悪性リンパ腫(ホジキン病、細網肉腫、リンパ肉腫)、悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫

メルファラン

白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、小児固形腫瘍

ラニムスチン

膠芽腫、骨髄腫、悪性リンパ腫、慢性骨髄性白血病、真性多血症、本態性血小板増多症


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