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「米デフォルト回避で、ダウ701ドル高、日経先物32000円。6月FOMCは利上げ見送りで決まりというがFRBは利上げするのではないか?」

米デフォルト回避

このところ金融界を騒がしてきた米デフォルトの問題が、米上院でデフォルト回避法案が可決されました。
回避されないリスクも想定されたがさすがに米政権と野党共和党も国益を優先させたということです。予定調和と言えることではありますが、日本の政界、与野党もこういう国益を優先する政治は是非見習っていただきたいと思います。

市場の反応/ダウ701ドル高、日経先物32、000円

市場の反応は極めてポジティブで、ニューヨークダウは701ドル高(2.1%高)、ナスダックは139ポイント高(1.1%高)、シカゴ日経先物は一時32,000円超え終値31,960円(1.8%高)と大幅な上昇となりました。
日経の記事も以下のようにポジティブです。

ここのところ、米国の財政が債務上限に来て、新法を成立させなければデフォルトに陥るというリスクが今年前半ここまでの市場の関心を集めてきました。
よく考えるとこれは自作自演のようにも見受けられます。
米銀破綻が相次ぎ、インフレが収まらず利上げを継続せざるを得ないジレンマに陥った米欧市場、これをなんとかしようとデフォルトを持ち出してきた、というふうにも意地悪な見方をすれば言えるかもしれません。
ただ、金融のジレンマを回避するのは財政であるというのは、統治法則の鉄案です。

米国に学ぶべき統治法則

このあたりは、日本政府、日銀及び金融界にもっと学んでいただきたいところです。
国益を主軸の考え方をすれば当たり前のことなのですが、日本はマスメディア、野党(与党の中にもいますが)が中露果ては米欧の工作活動に弱いのでバブル崩壊この方惨めな金融敗戦を続けてきたわけです。

さて、今後の市場-1

注目は、今後の市場です。
先の日経記事にあったように、6月の米金融政策決定会合(FOMC)は一旦利上げを見送るというのが過半を占めて来たようです。そのために米株式が上昇しています。
直近の指標で、雇用者数は予想を大幅に上回りましたが、失業率は上がり労働市場が沈静化の兆しだとして、株の上げを演じたようです。
それまでもナスダックはAIへの期待で、エヌビディアが暴騰したのを代表として、昨年末今年初を底に特に5月は連騰を続け、10カ月ぶりの高値を付けていました。
それが、デフォルト回避をきっかけにダウの方へも跳ね返って株価上昇へのリスクオンだ、というような報道がされるようになっています。

6月FOMCの予想は、紆余曲折を辿っています。
5月初めのFOMCでは、次回は利上げ見送りのサインがでていたが、経済指標の意外に高いデータが出たことでパウエル議長も利上げ継続に傾くような発言をしました。
さらに、相次ぐ米銀破綻からリスクを感じたからでしょうか、2,3のFRB委員から利上げ見送り&様子見の発言が出てきました。
そして直近の、昨日、「雇用者数は予想を大幅に上回りましたが、失業率は上がり労働市場が沈静化の兆し」と言った情勢になってきました。
このあたりは、豊島逸夫さんが詳しく解説されています。

さて、今後の市場-2/FRBは利上げしてくる?

以上のような情勢の中で、冒頭引用した日経の記事ですが、
NYダウ続伸、701ドル高 デフォルト回避や雇用統計受け - 日本経済新聞 (nikkei.com)
ニッセイ基礎研究所の井出さん、日経新聞の滝田さんのコメントは、読む人にバスに乗り遅れるな感を醸しているようです。

8割から9割は、しばらくリスクオンムードを演出しています。

FOMCが6/13(火)、14(水)ですから、すでにブラックアウト期間に入っていますのでFRB関係者の発言は出てきません。
来週の市場は、このムードで始まることは間違いないところでしょう。
こういう情勢でFOMCで利上げ見送りになると、株価は上がっていかざるを得ません。かなり強い次回以降の利上げサインを出してくると思われますが、リスクオンで特にナスダックは上がってくるのかも知れません。

こういうときこそ、恐らくですが、FRBは利上げしてくるのではないでしょうか。
FRBはバブルが怖いはずです。もちろんバブル自身が怖いのではなく、バブルは崩壊するから怖いのです。バブル崩壊の危機を回避し続けてきているFRBと米政府の普遍の性向から考えて、
私は、6月のFOMCでは利上げしてくる、と読みます。








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