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ナガノパープル 〜ぶどうテイスティング2023〜

昔、会社に入ったばかりの時、先輩に「顔の効くお店」を作る方法を教えてもらった。

まず、1週間毎日、そこに通え。そうして顔を覚えてもらったら、1週間に一回でいいから規則的に通え。ある程度そうやったら、あとは、不規則でもいい。そうやって、顔馴染みを作るんだ、と。

「常連」という響きに憧れた。だから、新宿のバーに、そうやって通った。けれども、私が通うとなぜか店が潰れたり、移転したりしてしまう。いつしか、無理に常連になろうとするのはやめた。

私は開店準備をしているめぼしい店舗を狙い、そこに例の方法で出入りするようになった。芝5丁目に住んでいた頃は、そうやって、多少顔をきかせてもらった。といっても、子どもを連れて行って、メニューにない裏メニューを作ってもらうとか、そういう類のことに過ぎない。けれども、引っ越しても時々行っていたが、徐々に初期メンバーの人々が離れていったり、オーナーも2店舗めに忙しくなると、私の顔を知っている人がいなくなり、やがていくことも無くなった。5年くらいの間の出来事である。

飲み屋にいくことも少なくなった今では、近隣の無農薬農家さんとか、果樹園とか、ワイナリーとか、酒屋とか、常連というほどではないものの、何かあれば連絡が先の方に来るような関係を築くことに、例の方法を応用している。

そうして毎年収穫時期に連絡をくれるのが、長野県千曲市の北澤ぶどう園さんである。

北澤ぶどう園さんは、多種多様の品種を育てている。私はそれに惹かれた。昨年、マスカサーティンを入れていただいたのも北澤さんだ。

私が注文するのは秋の香2kgを、時期を分けて2回注文している。

大きいので、食べ切る前に傷みが生じてしまう恐れがあるからだ。

今年の第一回目は、定番のシャインマスカット、ナガノパープル、クイーンニーナの青、黒、赤の三種と、先の写真の右下に見える北澤ぶどう園さんオリジナルの新品種「昭峰」。

今日はまず、ナガノパープルを食べた。

店頭ではまず買わないナガノパープル。というのも、美味しいので、すぐに消費してしまうが、値崩れがあまりない。そのため、単純に予算が尽きるというのもある。北澤さんの配達で、年2回くらいが、適正である。持った感じは700gはあるかな。食べでがあった。

割ると、こんな感じ。果皮に沿って、渋みの要素も。シャインに比べ、皮もパリではなく、モキュという感覚だ。私などはそれが好きだが、ジューシー過ぎて、色が手につく。きれいな薄紫色の汁が、服に飛んだら元も子もない。

皮が食べられるものは、無理に剥くと、手に貼り付いて、見栄えが悪い。

ナイフで剥くとそれはそれで勿体無い。皮は、渋みと共に私がいただきますが。

結局、そのまま、子どもらと妻と食した。

大きな個体になると、茎に近い方と先端とで、酸味のありようが違う。茎に近い方は甘いし、先端は酸味は残る。私は、先端の方を食べ、子どもらは上の方を食べた。満足していた。そりゃそうだろう。

49歳が子供の頃は、ブドウといえばデラウェアで、ほんの時々巨峰が出たくらい。でも、巨峰なんて、仏壇のお供物のイメージでしたよ。そう簡単には食せない。甘みの薄いマスカットか、ちっちゃなデラウェアしかなかった。

それがどうか。今は、瀬戸ジャイアンツだ、マスカットオブアレキサンドリアだ、ゴルビーだ、ヌーベルローズだ、と、大粒、種無し、糖度高がベーシックになってきてる。上の子など、2020年、2021年の私のぶどうチャレンジの企画に沿って、藤稔、巨峰、ピオーネ、サニードルチェ、サニールージュ、甲斐路、マスカットベーリーA、マスカット、ネオマスカット、マスカットオブアレキサンドリア、ゴルビー、コトピー、ヌーベルローズ、デラウェア、キングデラウェア、甲州、クイーンニーナ、シャインマスカット、ナガノパープル、旅路、甲州三尺、竜宝、紅伊豆、瀬戸ジャイアンツ、ネヘレスコールなどなど、贅沢にもほどがある試食をしてしまった。

去年はさすがにもういいかなと思って、あんまりぶどうは買わなかった。

今年はほどほどにやりたい。

北澤さんはワインも作っている。

ソーヴィニヨンブランとシラー。2021年は紅白で買った。ソービニヨンブランの特徴があって、柑橘系の香りがしっかり。美味しいです。

次は何を狙おうかな。

マスカットノワールなんかいいな。

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