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ウィリアムモリスは貼らない

※この記事は同じような内容をインスタにもあげたんですが、書き足りないのでここにも書いてみます。前置き以外はほぼ一緒です。

何年か前からウィリアムモリスの壁紙流行ってますよね。特に子供部屋に貼られている方が多いような…うちも最近子供部屋に少し手をいれてるんですが、モリスは貼りませんでした。今回は私のウィリアムモリスへの思いと、なぜモリスの壁紙を貼らないかについて書いてみようと思います。

長い前置き ~ウィリアムモリスと私~

ウィリアムモリスを知ったのは、確か小学四年生の頃。当時「週刊世界の美術館」という雑誌をとっていて、ロンドンのテイトギャラリーの号にモリスが(人物として)のっていたのです。

まだ持ってます

この号では「ラファエル前派」というグループの代表的な画家であるロセッティが特集されていたのですが、そのロセッティはモリスと親交があっただけでなく、モリスの奥さんであるジェーンという女性と不倫していたんですよね。ジェーンはロセッティの絵のモデルをしていて、二人は相思相愛だったようです。が、ロセッティにはリジーという長年の恋人がおり、ここでリジーを捨てて若い女に走ったら、いくらなんでも俺って最低じゃね?と(ロセッティが思ったどうかは知りませんが、多分そんな感じで)リジーと別れずにグズグズしていたら、業を煮やしたジェーンがやけっぱち気味にモリスからのプロポーズを承諾したみたいです。
で、ロセッティもその後リジーと結婚したんですが、ロセッティの女癖の悪さは相変わらずで、リジーは阿片チンキにより、自殺なのか事故なのか判然としない状況で亡くなりました。

妻の死後ロセッティはよせばいいのに、既婚者のジェーンに言い寄って二人は不倫関係に陥ります。そしてモリスもそれを知っていたんですが、彼はロセッティを尊敬していたし、ジェーンを自分のそばに引き留めていたいしで、二人の関係を黙認して、一時期三人で共同生活を送っていました。
このエピソードが小四の自分には結構衝撃的で、「モリス=ロセッティに奥さんを寝とられた人」というイメージが脳内にインセプションされました。
ちなみにこの号にはモリスの有名なパターン「イチゴ泥棒」も少しだけ載っていて、一目で気に入りました。何ならロセッティの絵よりも好みでした。でもこんなに才能があるのに奥さんに不倫されるのか…と思うと、余計に複雑な気分になりましたよね。よって相変わらず私の中でのモリスのイメージは、優れた芸術家≪奥さんをロセッティにとられた可哀想な人 でした。

それが今ではどうでしょう!
ホームセンターには貼って剥がせる壁紙が、百円ショップにも箱やら缶やらのモリスグッズが大量に置いてあるという状況。この空前のモリスフィーバーが日本に訪れることになるとは、当時の私は全く想像していませんでした。日本では絶対にロセッティよりもモリスの方が知名度ありますよね。

で、何で壁紙を貼らないの?

やっと本題。前置きでお分かりかと思いますが、私は割と、色んな意味でモリスには思い入れがあります。でも、我が家のようなモダンな構造(a.k.aただの四角い箱)にはモリスのトラディショナルな柄は合わないと思うんです(でも、モリスってモダンデザインの父って呼ばれてるみたいですね!私から見ると断然トラディショナルですが…)。

細かい柄がびっしり密集している壁紙は、シンプルなつくりの部屋に貼るとのっぺりして単調に見える気がします。まあ、少なくとも私にはそう見えます。
切妻屋根なり、梁なり、暖炉なり、腰壁なり凸凹のある空間だとパターンに変化が生まれて映えるではないでしょうか。

こんな感じとか
鴨居とか柱がある日本の古民家も良さげ

あとモダンなつくりでも、クローゼットや棚の内側とか、ちょっとした凹み(nook ヌックと呼ばれるスペース)に貼ってあると素敵に感じました。これは凸凹の凹が効いているのではないかと…
このサイトに紹介されていたヌックスペース(画像三枚目)素敵ですね。アクセントウォールっぽく一面だけではなく、ヌックの内側全面に貼っているのが個人的に好きです(理由は口述)。

なのでもし我が家に貼るとしたら、収納の内側(背面だけでなく、内側の全面)か、腰壁の上ですかね。他は家の構造を変える必要があるので、うちのようなマンションでは難しいかな。

モリスのアクセントウォールってどうなんだろう?

インスタなんかでは、モリスの壁紙をアクセントウォールとして貼っているのをよく見かけます。が、モリスが一番向かないのはアクセントウォールではないかと個人的に思います。柄が有機的な曲線でできているので、壁一面だけに貼るとその曲線が直線でぶったぎられる感じがするといいますか…うちにあるポストカードで説明しますと…

お分かり頂けただろうか…

画像が稚拙すぎて伝わってるかマジで自信ない…
ともかく、この有機的な曲線が、凸凹を介しつつ空間全体に広がり、繋がる様子が美しいなと感じます。

例えばこのサイトの壁紙の参考画像の雰囲気いいですね。画像は部屋の二面しか写っていませんが、こんな感じで壁紙が部屋の全面を覆っているのが理想です。

 裏を返せば、直線的なラインを描いている壁紙の方がモダンな家に合うのではないかと。例えばこんなのとかね↓

うちの廊下の壁紙です

⚠️最後に⚠️
以上は「何故自分の家にモリスの壁紙を貼らないか」に関する私個人の考えです。モリスの壁紙が本当に好きなら、家がモダンだろうがアクセントウォールだろうが自由に貼ればいいと思います!!!

それではまた。

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