りんダ

学生/詩を書いているつもりです

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最近の記事

[詩]架空の映画のワンシーン

ぼくのみぎてを知りませんかあ ジャンジャガンジャジャジャ ジャンジャガンジャジャジャ 僕の右手を知りませんか 行方不明になりました 指名手配のモンタージュ まっちじゅうにくばあるよ ジャンジャガンジャジャジャ ジャンジャガンジャジャジャ 見たこともないようなギターのひいき方で 聞いたこともないような歌いかったをしったあい だあかあらっ ぼっくのみぎってを知りませんかあ ジャンジャガンジャジャジャ ジャンジャガンジャジャジャ 「ねえ!ボーカルやらない!?」 「え」 「え」 上靴

    • [詩]架空の小説の抜粋

      「僕はね、愛だよ」 愛 「愛」 あい 愛と名乗る少年が瞬きをして 僕の目を見ている間 僕の胸と胸の間にあった何かが じわりと熱を帯びて 息が荒くなった このたった今胸に起こった 何か を掴もうと 分かろうと 少年の瞬きを見続けたけど その前に 胸と胸の間の熱は焦げて 手のひらを突き刺していた爪が 血で滲み 目から煙を出して 僕は倒れてしまった

      • [詩]永遠の果てと最悪なライブハウス

        私が、丁度、空を見た時に。 丁度、見上げたんだ いつもは、空なんか見ないのに。 空に終わりはないけど、 僕はいつか終わるのかな。 永遠の中にある僕の人生は短いのかな。 いや、空に終わりはあるのかもしれない。 宇宙の果てもあるのかもしれない。 僕も終わらないのかもしれない。 もしかしたらの話だけど。 永遠はないのかもしれない。 心臓が揺れる。ドラムと一緒に。耳鳴りがする。音響がすこぶる悪い。正直歌わないで欲しい。そのマイクの音質は、耳が痛いくなるし、歌詞は聞き取れない。この最

        • ふたつの命とひとつの月の話

          涙を流すために生まれた少年がいました 少女は何故生まれてきたのか分かりませんでした 「涙を流すだけの人生なんて可哀想ね」 「何故生まれてきたのか分からないなんて可哀想だね」 屋上で靴を脱いで 人生を落とそうとしています 死ぬために生きた、と少女 泣くために生きた、と少年 ふたつの命に 世界は重すぎた 私は多分、ずっと、このままなんだと、思ってしまう 月が近い、近い、月が、いつもより。 でも私はこのまま、変わらない。 月が私の家を壊して 学校を壊して 線路に落ちても 私は多分

        [詩]架空の映画のワンシーン

          詩の詩と瓦の中

          詩が化けて目の前に現れるとしたら きみみたいな人だろうか 見たことのない景色だろうか 詩が化けることがないことを 少年もこの女も 知っていました それでも女は 答えるのです きっと風みたいに見えないものですよ まぎれる凡才 瓦瓦瓦瓦瓦瓦瓦瓦瓦凡瓦瓦凡瓦瓦凡瓦瓦瓦瓦瓦 隠れるぼん凡才 瓦瓦瓦瓦瓦瓦瓦瓦瓦凡瓦瓦凡瓦瓦凡瓦瓦瓦瓦瓦 見つけ出さないでくれ 気づきたくないんだ 俺が凡才だって

          詩の詩と瓦の中

          風と海にまつわる詩

          まつ毛で風を触れた少女 まつ毛は空に向かって伸びていました 瞬きをする度に 囁かな風が起こります パチパチパチ と弾けながら 私の心を簡単に 奪ってしまうのです 海には命が沈んでいる 今もどこかで沈んでいるのだろうか あのひ 海に沈み、漂ったひ なにをおもいながら わたしは毎晩 まぶたの裏の海底で 息が止まる

          風と海にまつわる詩

          愛と美についての詩

          科学者は悩んでいた 純粋な愛が存在しなかった頃のほうが 全人類が幸せだったんじゃないか 純粋な愛を知ったから 不幸も同時に存在するようになったんじゃないか 幸福と不幸を均一化するか または、愛をなくす 必要がある 美容外科医が言う 絵画に黄金比率があるように 容姿にも黄金比率があるのだ 心がある限り 美は追い求めてしまう呪いである 私が新たに提唱する美容法は 美的感覚を脳から変える あなたの容姿を美しいと思えるように

          愛と美についての詩

          ある少年と男と女の詩

          絵を描くことは数学である モナリザもオードリーヘップバーンも 黄金比率に合っているから美しい しかし少年の心には 黄金比率の風景は存在しないようだ つくるしかない 新たに 完璧な比率の 虚像を ある男を見た 男は女を支配したかった 本当は女でなくても良かったのだ そのことに気づいていたのに 本能と愛の砂時計は どちらが先に尽きるでしょう ある女の回答:本能の皮を被った自尊心

          ある少年と男と女の詩

          少女

          少女は祖母の死に際に思った 祖母が生きた意味は何か 祖母が残せたものは何か 何かとは少女である 人は死ぬ時初めて平等になるのだ ある少女を見た 少女は少女に才能がないことに気づき始めていた 夢があれば 情熱があれば 才能があれば 青春を過ごせたはずである 少女は少女への信仰を失ってしまっていた

          映画泥棒

          「君のこの先ある10年は1000万円と交換することができる」と警官は彼に言った。 彼は映画を盗んでしまったのだ。できればあの2時間という時間ごと、スクリーンとポップコーンも盗んでしまいたかったのだけれど。あの日は赤いシートの座席が彼を惑わしたのだ。暗闇の中で唇のような赤色に誘惑されて映画を盗んでしまった。「この2時間は僕の10年と同価値である」

          運命

          夏が終わり、冬が始まる そこに隙間があったなら そこに秋と名付けよう。 世界が終わりに近づいている 運命 想像の中の終末から、美しさを感じる私は おかしいだろうか いつかこの目で見てみたいのだ 世界が限りなく終わりに近づいている時間を 人を凌駕する自然を 逆らえない時の流れを 運命

          問1:

          一本の風が顔に触れる。もう一本が首の上を通り抜け、束になって向こうの方へ流れていく。 5組14番名前:凪渚紗 問1:風はどこへ行ったでしょう 回答:昨日 3組5番名前:フラミンゴ兄弟 問1:風はどこへ行ったでしょう 回答:川へ行って、せせらぎになる 2組1番名前:羊と雲の間 問1:風はどこへ行ったでしょう 回答:行った先で、時田日和と恋に落ちる 3組19番名前:夢落語家の師匠 問1:風はどこへいったでしょう 回答:上昇気流によって、偏西風になる 答え:好きな人の耳の

          蛙化

          「緑の生命体」 彩度が高い景色 眼球が丸ごと取り替わったのかと思うほど キラキラした膜越しに毎日を見た 君の後ろには太陽が光る 君が地球を回してた 君の回転を私は追いかけていた 心臓を弾ませ 綺麗になっていきながら さらに綺麗になろうとしながら 好きなんだ 君が言った 明かりの隙間が消えるほど 分厚い影が君に被る 緑の生命体 君の正体は蛙だった こないで 私から突き放して 蛙から逃げる また 蛙をつくってしまった 分かっていたのに 私はまた懲りずに始めていた そしてひとりで

          安心する雨

          「排水溝」 雨は分かりにくくしてくれる 私の在処を 私の心を 雨は流してくれる 日々の無力を 雨は濁してくれる 指先から血が零れていくのも 雨が降ると分からなくなる ここがどこか分からなくなる 私の命が分からなくなる 血が落ちないようにに 握りしめる そんな気持ちに もうなれない

          安心する雨

          雨あがり

          「教室」 雲の匂い 雨の匂い 時計の針が空気を割く この時計は進んでいないような気がする この時間はこれからもずっと終わらないような そんな気がする 雨のしずくがパールみたに 君の髪に落ちるのを見た 雨で濡れてた手が 陽光に当たって輝いてる 触れられた傘はまるで 君のからだのいちぶのよう 僕だけが知っている 優越感

          雨あがり