毒草であり薬草でもある 野草デビュー 139 クサノオウ


パン屋さんのレジ前にて

パン屋さんの店内に飾られていた黄色い可愛いお花。お孫さんが線路沿いで摘んだそうです。
うん?可愛いお花ですね。どれどれこの花は?と野草デビュー中なので鑑定😆
初めて見る野草です。🤷‍♀️わかりません。
可愛らしい花と比べて葉っぱが菊のような。
なので
みちくさ部さんの出番
クサノオウなのだそう。そしてこんな返事が。
「クサノオウは毒なので、飾る分には問題ないですが、手を洗うのと、花瓶の水の扱いにご注意くださいとお伝えください」「汁さえ気をつければ大丈夫です」とのことでした。

それをパン屋さんに伝えると、「あぁーそうだったの。ガラスの瓶がお水を変えても変えても黄色くなるから不思議だなあと思ってたのよ」

汁は強烈ですね。


写真はEVERGREENさんよりお借りしました

クサノオウを調べるとウイキやEVERGREENさんなどの情報がありました。

薬草調べで参考書として使っている「家庭で使える薬になる植物三集」(佐藤潤平著)にはクサノオウは薬草であり、毒草であるとして載っています。

記事が面白いのでクサノオウ編から抜粋を。

🔷生薬名 白屈菜(ハックツサイ) 性質不明 味 苦
ケシ科  クサノオウ属
効能  いぼ・たむし・皮癬・腫れ物に、鎮痙、鎮痛
地上部を採集し、乾燥したものを「白屈菜」と称し、薬に用いる。

生の植物体を傷つけるとにじみ出る黄色の汁液は、味が苦く、皮膚につくと赤く腫れ発疹する。

汁液成分

アルカロイドのケリドニン、クレリトリン、ホモケリドニン、プロトピン、アロクリプトピンなどが含まれている。

ケリドニンアルカロイドは阿片アルカロイドに似た作用があるが、阿片アルカロイドのように目まい、嗜眠、便秘などの副作用は伴わないという。
従って、鎮痛、知覚神経の末梢麻痺作用を活用し、鎮痙、鎮痛剤として胃潰瘍などに用いることがある。

明治の文豪、尾崎紅葉が胃癌におかされ、良薬が無いのに苦しんでいたとき、このクサノオウのチンキを作って投与した話しは有名である。
白屈菜はソビエト薬局方に収載されている生薬である。

🔷薬効

1.だいだい色の汁液をいぼにつけるとその組織を軟化侵蝕していぼがとれるという。

2.昔は梅毒におかされた古い汚い潰瘍などをクサノオウのチンキを溶かした水で洗っていた。

3.クサノオウの生の汁を切り傷やたむしにつけると、疼痛は甚だしいが治りは早いという。腫れ物や毒虫にさされたときにつけるとよいという。

4.毒草であるから取り扱いに注意を要する。

写真は牧野富太郎植物図鑑より

🔷クサノオウは生け垣のもと、雑木林の端、路傍など広く自生している越年草。
茎は高さ40~60cmで中空。質は柔らかで傷つけると、そこから濃いだいだい色で不快な臭いのある汁液がしみでてくるのが特徴である。全草粉白を帯び毛がある。
葉は互生し、羽状に分裂し、裂片は鈍形。葉の表は淡緑色、裏面は帯緑白色で微毛がある。
5月頃小花で柄をもった鮮黄色の花を数個咲かす。
萼は二片、楕円形で長さ6~8mm、外面にはまばらに柔毛がある。
花弁は四枚で長さ1.2mm、雄蕊は多数、雌蕊は一個である。
果実は棒状で長さ3~4cm、幅約2mm、種子は長さ1~3mmで筒形、仮種皮がある。
🔷💙💙🔷

以上「家庭で使える薬になる植物大三集」より
この本はいろいろな逸話なども盛り込んでいるのでためにもなるし、面白い本だなと思います。


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