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査読が必要な理由:査読者マニュアル2つを紹介

▼ 文献情報 と 抄録和訳

迷惑なのか必要なのか?堅牢なピアレビューが医学界に不可欠な理由

Patricios, Jon, et al. "Nuisance or necessity? Why robust peer review is critical for medical science." (2021).

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[レビュー概要]
査読というプロセスの必要性や重要なポイントについて、以下のドメインに沿って解説がなされている。内容自体はEditorialということもあって、非常に短い。Open accessなので、是非一読を。

■ 私(査読者)にとってのメリットは?・・・最先端論文を読める、指導力の強化が期待できる、ネットワークに参画できる
■ 誰が得をするのか?・・・著者にとってのメリット、投稿された論文にとってのメリット
■ どのようにレビューするか?・・・査読者マニュアルを紹介
■ 信頼できるプロセス・・・あの人の伝説の名言。査読者の推奨を検討する際に参考になる。
■ メソッドの重要性・・・現在の査読が抱える問題点やその解決法に関する考察

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

このEditorialの大トロ部分は、「査読マニュアル」が2つ紹介されていることだ。
査読者となる者は、持っていていい武器であろう。

✅ 査読者マニュアル2つ
■ 【Wiley】どうやって査読をするか?:査読マニュアル >>> site
■ Tandon, Rajiv. Asian journal of psychiatry 11 (2014): 124-127. >>> doi

そして、臨床研究の指導者として重要になってくるのが、「どうして査読プロセスって必要なんですか?」という哲学的ともとれる問いに、どのような答えを持っているかだ。
この問いをもった後輩に対し、どのような水でその渇きを潤すかによって、その後輩の倫理観に、多少なりとも影響を及ぼすことになる。
このEditorialには、その答えの一端があると思う。
僕が、後輩に説明する際に筆頭にあげたいと思うのは「多くの専門家によってその論文が磨かれる」というものだ。
路傍の石、という作品に以下のような言葉がある。

人間はな、人生という砥石で、ごしごし擦られなくちゃ、光るようにはならないんだ
山本有三

これをもじると、査読の必要性を示すぴったりの一文が出来上がる。

論文はな、査読という砥石で、ごしごし擦られなくちゃ、光るようにはならないんだ
SuperHuman

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【あり】最後のイラスト

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