見出し画像

ブロック練習 vs. インターリーブ練習

▼ 文献情報 と 抄録和訳

脳卒中における運動技能の長期保持を支えるインターリーブ練習の神経機構:トランスレーショナルリサーチの視点から

Kim, Tae-Won. "Neural mechanisms of interleaved practice that support long-term retention of motor skill in stroke: translational research perspective." Journal of Exercise Rehabilitation 17.2 (2021): 67-68.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[レビュー概要]

ブロック練習(repetitive practice; RP):各介入を繰り返し行うこと
インターリーブ練習(interleaved practice; IP):各介入をランダムに混ぜながら行うこと

>>>ブロックとインターリーブについてのわかりやすいサイト
・学習のためには広範な練習が重要性だが、各練習をどのように組織化するかがスキル習得の最適化に重要である
・インターリーブ練習形式で複数のスキル記憶を学習することの有効性を示す最新のエビデンスを紹介している
学習直後の成績はブロックの方が良好になりやすいが、長期的にはインターリーブが優れる、すなわちインターリーブは学習の記憶・定着に優れる
・その仕組みとしては、ブロック学習では長期的な保持に必要な「エラーによる低速プロセスの更新」が抑制されるらしい(この部分はもう少し勉強必要)。
・IPとRPの間の脳・神経画像の証拠も明らかになってきている

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

最小努力の法則というものがあって、僕らの生活をかなりの程度支配している。
この法則は、ある目標を達成するのに複数の方法が存在する場合、人間は最終的に最も少ない努力ですむ方法を選ぶ、ということだ。

たとえば、【A】通常歩行練習、【B】横歩き練習、【C】スラローム歩行練習、【D】階段昇降練習があったとする。
ほとんどのセラピストは、【A】10分 → 【B】5分 → 【C】5分 → 【D】5分、「お疲れ様でした」だ。
なぜなら、同じことを繰り返しやっていた方が、『楽』、だからだ。
だが、この方法では、長期的にはスキル忘却が起こる。
以下の図のInterleaveのような介入こそ、エラーを引き起こし忘却をふせぐ事のできる介入らしい。

スライド2

しかし、考えてみただけで、「面倒臭い」、最小努力の法則の重力に屈しそうだ。
そんなときは、あのひとの言葉を噛み締めよう!!!

世の中の大事なことって たいてい面倒くさいんだよ
宮崎駿

インターリーブ練習、もう一度繰り返そう、忘れないように。
あっ!!繰り返してはいけないのだった・・・。

○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
こちらから♪
↓↓↓

【あり】最後のイラスト

‥ ‥ ‥ ‥・・・━━━━━━━━━━━●○