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蚊をレビュー


日本一短いゲームタイトルなんだって
痒くなる表現があるかも

〇ゲーム情報

  • ゲームハード PS2(アーカイブスは未配信)

  • 値段 5800円(廉価版は3000円)

  • ジャンル アクション

〇ゲームの登場人物

  • 蚊 今作の主人公。一応蚊であるが、リアルな姿ではなく、かなりデフォルメされている。蚊の生態を調べるとメスしか吸血しない筈だが、敵の娘、麗奈の入浴シーンにのぼせ上がるのでオスなのと思える行動していて、本来の生態と矛盾したシーンがある。タンクを集め、今回の敵、山田家の人々から血をかき集めたかで彼(彼女かもしれないが)の運命が変わる。

  • 山田健一 今回の敵の一家の大黒柱。カネヨの夫で麗奈の父。脂性の典型的なバーコードオヤジで、カトちゃんペッのキャラクターをかなりリアルにした風貌をしていて、そのせいか、娘にも友達の綾香が来る時は姿を出さないでと苦言を挺されている。生け花が趣味だが、蚊に狙われたせいでエラいことになった。妻からあまり相手されておらず、娘からも煙たがられている、よくある親父で、山田家の中では1番気が弱そうで、見かけは至って普通のおじさんだが、激昂すると・・・?

  • 山田カネヨ 健一の妻で麗奈の母親。家族を愛し、見かけは至ってどこにでもいるおばちゃんだが、過去に新体操をやってたようで見かけに反して、運動神経はバツグン。コロッケの作り方が凄まじく、途端に奇妙な行動を取ることも。夫の健一をあまり相手にしないとはいえ、やっぱり似た者夫婦である。

  • 山田麗奈 健一とカネヨ夫妻の一人娘の女子高生。見かけはこの親からこんな可愛い娘がよく生まれるんだと思うくらい可愛い。しかし、この親あってこの子ありで運動神経はもちろん抜群でバク転をかましたりもできる。年頃の女子高生なので、親に対して反抗的な面もあるが、グレてはおらず、渋々親に従う。最初に蚊に刺される。入浴中に蚊に狙われる(時間制限がある)が大抵自室で狙われる。

  • 高島綾香 麗奈の友人のお嬢様の赤いフレームメガネとショートヘアのメガネっ娘だが、ちょっと露出度が高く、無防備な格好をしているくせに、蚊に一度も刺されたことがない、不思議なお方。唯一、本作では山田家以外の人間なのに、山田家に遊びに来たことで運悪く蚊に狙われることになる。ワンステージのみのターゲット。山田家の人々が何か虫がいると気づき出して、殺虫剤などを用意し出す中盤で登場し、彼女は山田家の人間では無いので、事情を知らないため、虫除けスプレーや殺虫剤などは持っていないし、露出度が多く、ゲームバランスの都合上、何ヶ所も刺されることになる、ちょっと気の毒な女性。

〇ゲームの流れ

蚊の視点でゲームをする。ゲーム開始時に家族会議があり、他愛もない会話だが、その中でヒントもあるのでよく聞くこと。
人間に気づかれることなく、決められた場所(1箇所とは限らない)を全て決められた量を吸えばクリア。
人間が動いてる時は決められた場所も出ないので、寝そべるなど安静にしてる時に吸う。
毎度とは限らないが、携帯電話やリモコンなどに家にあるものに体当たりが出来るものがあるので、体当たりして人間の動きを停めたり、気を散らせるのも一つの手。
ステージ内にはアイテムも転がってるので、拾うといいことがある。特にタンクはエンディングには必須アイテム。
人間の視界に入ったり、人間に当たったりすると気づかれやすくなり、赤い線が赤くなると気づかれていて、赤い点滅が始まるので人間から離れないとバトルになる。
バトルになったら慌てずに敵の攻撃を掻い潜って、決められたリラックスポイントというツボに突撃していく。
終盤は蚊の存在に人間は気づいていて、いきなりバトルなので、人間の攻撃も苛烈になっている中、リラックスポイントに突撃することからスタートする。
上手く決められた場所に着地して、吸ってる時はに蚊は無防備かつ、人間に気づかれやすくなっていて、カーソルの周り速さが遅すぎると吸い上げが弱く何時までも吸えないし、速すぎると人間に気づかれてしまうので、右側のゲージを見ながら吸うこと。
赤い線になっていると気づかれているので、吸ってる途中でも即座に離れること。離れないと叩かれて問答無用で一撃死となる
 序盤は山田家の人々も蚊の存在に気づいていないので、見つけても叩く程度で叩いてもライフが減る程度。吸血時に潰されないようにするだけだが、物語を進めると山田家の人々も蚊の存在に気付き出し、蚊対策グッズの蚊取り線香、殺虫剤、殺虫ライトなどを置くようになる。それらに当たるとやはりライフが減る。壁に当たったりすると殺虫剤が塗られていてダメージを受けることも。
終盤になると蚊一匹に何やってるの?この人たちって感じのドン引きレベルで殺虫剤やら蚊取り線香などの中盤の殺虫グッズは大量に出るし、謎の毒で、最早なんでもありの家が要塞化する地獄絵図となるので必見。一見普通の一家だが、蚊1匹のためにそこまでやるか〜という山田家の奇妙さが出てくる。

〇個人的評価

評価はS(最高)→A→B→C→D→E(最低)

  • ストーリー S

  • グラフィック(当時基準) A

  • ゲームバランスや難易度 C

  • 操作性 E

  • 世界観 S

  • BGM B

  •  ゲームの面白さ C

  • やり込み要素 A

  • 総合評価 C

  • 適正価格 3000円(クソゲーという訳では無いが、廉価版がこれくらいの値段。)

〇良い点

  • 蚊になれるという他のゲームには全くないコンセプトは斬新

  • 蚊はリアルではなく、可愛らしいデザイン

  • ナレーターを含め、声優がそこそこ豪華。

  • 蚊は可愛らしいデザインなのに人間はそれに反して妙にリアルで、山田家両親のシワなども描かれていて、細かい。

  • 終盤まで進めると健一が激昂するので、その激昂した時は、今までの行動、見た目は普通のおじさんからは全く想像つかない行動をするので、必見。

  • 痒くなる表現などと独自の注意喚起がある。

  •  父親、母親ともに超美形という訳でもなく、どこにいる普通のおじさんおばさんを描かれていて、やり取りも倦怠期な中年夫婦の姿を上手く描かれている。父親の激昂した姿や母親の奇妙な動きを除けば至って普通のどこにでもいる中年夫婦。

  • 娘は美人すぎるかなと思われるが、彼女も中身は普通の高校生で父親を煙たがリ、友達づきあいもエンジョイしてる。見かけはどこにでもいる家族が上手く描かれている

  • 終盤は蚊1匹ごときに家が要塞化していくのは必見。

  • 家の備品などもリアルに描かれている

  • 蚊の体のサイズ故に隙間などにも入れるため、探索の楽しみがある。

  • ステージ毎にあると限らないが、携帯、リモコンなどを構うと反応が楽しい。普通の蚊ではありえない行動。

  • 蚊以外はリアルで、見かけは普通の家族なのに封を切るとどこか奇妙な本性がある奇妙な家族と蚊1匹の戦いというこのゲーム、独特の世界観がある

  •  マルチエンド制で、タンクがなく、その量を吸わないとクリアしても、スタッフロールなどもなく、ナレーターの一言でタンクをもっと吸ってこいと言われるので、実質バットエンドでスタッフロールもない。ハッピーエンドを目指すならタンクを集めて、2年目突入(ステージは同じだが、ポスターの位置などが変わる)し、ハッピーエンドにするやり込み要素がある

‪✕‬悪い点

  • 操作性があまり良くない。吸うアクションひとつにしろ、着地してもスティックを押し込んで、肌に刺さないといけないので、面倒。初見では慣れが必要

  • 吸うところが例えばおヘソだとしても脇腹で反応したり、下手をすれば背中側からでも反応するので、体の凸凹に邪魔されたり、人間にぶつかったりして、リスクが高い

  • マップが広大で蚊の体の大きさゆえに隙間も入れるので探索が面倒で時間がかかる

  • タンクやハートリングなど必要なアイテムがやたら小さく、探すのも拾うのが大変。

  • 飛行操作もあまり良くないので、拾うのも苦労する

  • ハートリングはライフが増えるのに必要なアイテムだが、やたら広大かつ小さいゆえに50個も必要と結構苦行と化す

  • 終盤は難易度が高く、特にどこかのステージで激昂した健一はとんでもない行動に笑えるが、実力は凄まじく、即死行動も多いため、難易度高い

  • ハッピーエンドにするには2年目突入だが、ステージは同じで山田家でも人々の行動などは同じだし、ターゲットも複数出たりせず、オブジェが変わったのみなので実質二週目で、飽きるかもしれない。

〇総評

蚊になれるゲームなんて誰が想像したんだろうか。当時の制作スタッフの想像力の豊さには驚かされる。
そして、蚊の可愛らしいデザイン、リアルかつ、シュールな独特の世界観、一見、普通に見えるけど、内面はどこか奇妙かつ、1匹の蚊のために家を要塞にさせるという、本心を知れば全く普通では無い、山田家の人々は上手く描かれている。
ただ、飛行性能や吸血時に押し込む動作が必要など操作性が良くないこと、ターゲットが反対側なのに反応して、見つかるリスクを上げてしまうこと、マップがやたら広大なのにアイテムが小さく見にくいので、探索が困難なこと、激昂した健一がとてつもないので、難易度は高めなのが惜しい。子供にはプレイは難しい。

〇次回予告

ゲームの強いヒロイン特集を書いてみようかと。


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