岩下徹即興ダンスセラピーと「私の根っ子」

 2023年9月10日、即興舞踊家であり舞踏カンパニー「山海塾」のメンバーである岩下徹さんによる即興ダンスセラピーに参加して来ました。このワークショップは何らかの障がいを持つ人と持たない人が一緒に即興でダンスを踊るものです。

1.光の中で踊る

 会場の畑中公民館体育室は側面が一面ガラス張りのため、太陽の光とフレームの陰の移りゆきの中で、1時から5時まで、その時々の陽射しを浴びながら踊りました。眼差しに直接、間接に入ってくる太陽の光とそこに現れる光に晒されている時の熱の強弱、光に触れ包まれる感触、光と陰のコンポジションに体を入れるイメージなどから動きが生まれました。各々の動きの中にその人がくっきりと起ち現れていてる様が深く印象に残りました。


2.植物になる

 岩下徹さんより「植物になってみましょう」という言葉があり、私は水面を漂う浮き草になっていました。踊った後憶い出したのは、小学生の時、「あなたは生き物に例えると何?」と教師に訊かれ、浮き草(ホテイアオイ)と答えたことです。これまでの踊りの動きを振り返るといつも浮き草の特徴が入っています。その特徴は日常の他者との関係、仕事の仕方にも入っていて、何十年も変わらないままです。地に根を深く張ることはないのです。即興はその人を露わにしますが、小学生の頃、自分の本性を捉えたのか?その時たまたま浮んだイメージが何十年も自分を制御し続けているのか?など面白い疑問も生じました。


3.私の根っ子

 その後、文章内の「根っ子」について岩下徹さんとお話をする中で、私が身体運動の特徴の一つと思っている「急迫状態から再生する」ことを反復する過程に、自分の「根っ子」を浮き草が水の流れに根を垂らすように張れば(垂らしていれば)よいと思いました。


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