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ボカロP N●ileの自己紹介と構成するアルバム4選

はじめに

  インディーロック、ノイズ、J-POP、毛色の全く異なる3分野が好きな自分には仲間が存在しない。
  故に自分の音楽価値観の提示と記録を目的にこの記事を作成する。自己紹介から入ろうと思うけど興味ない方はアルバムから入って欲しい。

自己紹介

  こうして話を始めるとなると、君はまず最初に、僕がどこで生まれたかとか、どんなみっともない子ども時代をおくったとか、僕が生まれる前に両親が何をしていたとか、その手のデイヴ・カッパフィールド的なしょうもないあれこれを知りたがるかもしれない。でもはっきり言ってね、その手の話をする気になれないんだよ。するつもりもあまりないので簡潔に語る。

  ボカロP兼バンドThe Laundryギタリスト兼しがない絵描きのN●ile(ノイル)と申します。

  上記の一節の通り好きな小説は「The Catcher in the Rye」で、好きな映画は「ショーシャンクの空に」のこれといって長所もないしょーもない人間だ。

  ここでは自分の音楽に(及び芸術活動に)関する価値観についてアルバムを紹介しながら書き記そうと思う。
※一応記しておくけど自分は アーティスト/作品 と記入する

アルバム紹介

1 Galileo Galilei/ALARMS

Galileo Galilei/ALARMS
SONY MUSIC ENTERTAINMENT(Japan) inc.

  中学の時の自分は「ロンリーボーイ」で「フラニーの沼へ」だった。
  Galileo Galilei/ALARMSは自分の中でインディーミュージックとポップスの融合という点においても、自分の半生に関わる点においても、非常に重要な作品だ。

  映画Stand By Meのパロディかのようなジャケットが惹き付ける本作は各曲において、Galileo Galileiの持つ特有の青臭さと「ナードな僕と太陽のような君」が溢れる程に紡がれている。2人という単純な、しかしそれだからこそ尾崎雄貴の脂の乗った純文学のようなソングライティングが光る。

  自分のソロの音楽には「君と僕」という2人だけ、例えるなら2人で乗るシーソーみたいな音楽を志しているのだけども、それはサイダーを開ける瞬間のあの音を記録したかのようなこのアルバムによる影響が大きい。

  今年のアルバムとも合わせて聴くと面白いかもしれない。「パイロットガール」と「死んでくれ」等このバンドのアルバムにおける楽曲配置の巧みさがわかるから。

  自分にとってはGalileo GalileiならぬまさにCopernicusのようなアルバムだ。そりゃ地球も立ち上がってぐるぐる廻るわ。

○おすすめ曲
・処女と黄金の旅
・サークルゲーム

2 Wild Nothing/Nocturne

Wild Nothing/Nocturne
YOSHIMOTO MUSIC

  これを読んでいる皆様方は町田洋/海とコンクリート という漫画作品を読んだことはあるだろうか?

  オムニバス形式で単純な絵柄と、ひとつひとつこころの初々しい部分を逆撫でされるようなストーリーも然ることながら、全体的に匂う浮世立つ幼少期あったあのわくわくをおもいださせてくれる自分の大好きな漫画作品だ。

町田洋/夜とコンクリート 
祥伝社

  何故今この作品をあげたかというと、Wild Nothingの柔らかなベッドルームポップさはこの作品に纏わりつくいたいけな気性とマッチするからだ。元々リバーブ感の強い音像とややエキゾチカに傾倒した音色による部分もそうなんだけど、何よりもボーカルの声質が海外の大人になった青年って感じなのが大きい。

  ひとりで「発泡酒」を読みながら「Couting Days」(ちなみに僕のフェイバリット)を聴いてみて欲しい。

  航空法違反待ったなしに、飛ぶ。

  ちな飛びながら作った曲がN●CTURNEだったりThe Laundry/稀唄だったりする。自分の音楽にはこの2つが不可欠だと認識する瞬間が多い。

○おすすめ曲
・Paradise
・Wait

3 POiSON GiRL FRiEND/Melting Moment

POiSON GiRL FRiEND/Melting Moment
Victor Entertainment

  3枚目はPOiSON GiRL FRiENDのファーストミニアルバムだ。
  このアルバムを聴いた瞬間は今でも覚えている。自分が人生で一番ショッキングなことが起きた翌日の電車内で揺さぶられながら聴いた作品だった。(こういうことがあるがサブスクのイイトコだよね。)

  名前の通りドクドクしい表情の女性がジャケットのこのアルバムだが、内容はトリップホップとJ-POPを融合した結果ニューエイジ・ニューウェーブともとれる音楽になったという印象が強い。

  代表曲の「Hardly Ever Smile」では悲しみをそのまま音楽にしたようなシンセサイザー、オドロオドロしくもしっかりと他楽器を支えるうねりフレットレスベース、何よりも風が吹いたら消えてしまいそうなNorikoの儚げな美愛ボーカルが交差する。
  はっきり言ってしまうと英語の発音はお世辞にも良いとは言えないのだけど、かえってそれがJ-POPとしてのメロディーの良さが全面に出されているという。

  音楽はその時々によって違う顔を見せるのは万国共通だと思う。電車の中でのこの曲を聴いた時は、自分には悲哀の神様にたいする讃美歌に聴こえたのを、よく憶えている。

○おすすめ曲
・Hardly Ever Smile
・Melting Moment

4 Lovesliescrusing / Bloweyelashwish

Lovesliescrusing / Bloweyelushwish
Projekt

  最後に紹介するアルバムは大変読みにくいバンド、Lovesliescrusingの知る人ぞ知るアンビエントシューゲイザーアルバム。

  自分は清々しさの中にやや陰鬱なものが混ざった音楽が好きなように思う。(実際上記3つもその要素がある)
  しかし、このアルバムには轟音と優愁なベルの音、そしてMy Bloody Valentine/Loveless並みに聴こえないボーカルしか存在しない。このアルバムにはアンビエントノイズ(シューゲイザー)という憂鬱や共感性すら打ち消すようなノスタルジアに満ちていて、かなり好きなアルバムだ。

  感情を音楽に乗せるときに、普通はいかに相手に伝わるかというものを1mmでも考えると思う。しかし、自分の音楽において、そういった共感部分を除外して、あくまでも内省的なノスタルジアを乗せたいと思うようになったのは、このアルバムを通した有終の美「Halo」を経験したからだった。

  内省さの究極体、これがこのアルバムの核だと感じる。
  ノイズは本来母体でも優しさでも陰鬱さの象徴でも社会のはみ出しものだけのための音楽じゃないと思うからね。

○おすすめ曲
・Burst
・Sugaredglowing

最後に

  ドリーム・ポップ、インディーロック、J-POP(トリップホップ)、アンビエントノイズ

と僕の大好きなアルバム四天王、という感じで紹介してみた。もし、興味がある方は上記のアルバムを聴いてみて欲しい。

  自分の作成した、初音ミク様に歌っていただく音楽にはこの上4つの要素をどれだけ混ぜ合わせるかがキーになってると思う。
  もちろんその時々や曲にもよりますが。

  最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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