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映画を観た「窓辺にて」

稲垣吾郎さん主演、2022年の作品。

フリーライターの稲垣さん演じる主人公は、編集の仕事をしている妻が浮気をしていることに気づいている。だれかに相談したいと思っているが、妻の浮気自体についてではなくて、それを知った時に自分が腹が立ったり悲しいなどという感情がおきなかったことについて。
自分の感情の希薄さにいたくショックを受けてしまい、かなり悩んでいる。

物語は基にこの事実があり、悩みを抱えつつ周囲の人たちとの関係性や日常が綴られていて大きな何かが起こるわけではない。

文学賞を受賞した女子高生作家と、喫茶店で彼女にオーダーされるままパフェを食べたり、足に悩みを抱えているプロスポーツ選手である友人の相談を受けたり、特にどうということはない風景が描かれる。

でも退屈はしなかった。
稲垣さんの自然で、時にコミカルさすら感じさせる真面目さの演技が素晴らしかった。

唯一気持ちがざわついたシーンは、その友人(スポーツ選手)の自宅に、これまで打ち明けられなかったくだんの悩みについて相談しに行ったところ、その奥さんに、ゴローさんの奥さんのほうがかわいそうだとキレられ、帰れ!と追い返されてしまう。そのくせ、今度はゴローさんの自宅に押しかけてきて、ゴローさんと奥さんに、夫(スポーツ選手)が浮気をしている、相手もわかっている、などと相談するのだ!
ゴローさんの奥さんが浮気をしている、と聞いたところなのに!
おいおい、人ん家巻き込むなやー、ってちょっとムカついてしまった。志田未来よー😮‍💨

誰の役にも立ってないのではないか、と考えてしまうゴローさん。
妻の実家に、奥さんは行けなくても自分はちょくちょく顔を出したり、奥さんのブラウスのはずれかけたボタンを縫い付け直したり。
じゅうぶん優しく、役に立っている。

そう、特に何があるわけでもないこの映画は、ゴローさんの演じる穏やかで優しい空気感が心地良かったのかもしれない。

ゴローさんが、呼び出された喫茶店でパフェをふたつ追加でオーダーし、やっぱりひとつ、とオーダーし直すラストシーンが良かった。
観て良かった。


#WOWOW    #W座  #稲垣吾郎
#窓辺にて

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