ストリートスライダーズは私が高校生の頃、よく聴いていたバンド。
ハスキーというよりガラガラ声というほうがしっくりくるボーカルのハリーさんは、ワルい感じがしつつも硬派なお兄さんに思え、なんとなく目が離せなかった。
ギターの蘭丸さんはキュートで、あとはドラムとベースの4人組だったけど、なかなかバランスがとれているバンドだったと思う。

なぜ、スライダーズを聴くようになったかというと、高校時代の憧れのN君が急に彼らのアルバムを貸してくれたことがきっかけだ。

今でもはっきりその時の光景を思い出せる。
教室の前の廊下を向こうからずんずんこちらにやって来たN君が、私の前で立ち止まり、アルバムレコードが入った袋を、「ん、」と渡してきたのだ。
とっさのことで意味がわからず、とりあえずはありがとう、と受け取ったが、レコードジャケットを見て、あー、自分の好きなアルバムを聴け、と貸してくれたのだな、と理解した。
私にプレゼントしてくださるほどには想われていないことは、自分でよくわかっていたのだ。

まあ、そんなことがあり、スライダーズのライブに行ったりするようになっていったのだが、時の経過とともに、全て良き思い出と、いつのまにかしまっていたのだけど。

去年の5月。
スライダーズがライブをし、それがWOWOWで生中継されるというではないか！
観ないわけがない。
実は去年、その放送を観て、感想を書きたい気持ちはあったのだけど、一歩先へ進めず、書くまでに1年かかった😅
今回スライダーズについて書けたのは、今年も4月にライブをされ、またWOWOWで生中継されたからなのだ。2回観たら、多少の慣れと余裕ができた。

高校時代ライブに行った時は、周りは鎖ジャラジャラ系のお兄さんお姉さん方ばかりだったが、観客はあの頃のお兄さん方だったのだろう。
ハリーのガラガラダミダミ声も健在だ。

ハリーさんも蘭丸さんも丸くなっていらっしゃる。違うよ！見た目じゃなくて、あの当時の尖った感じから、だよ。いや、もちろんそれなりにみなさん歳を重ねてらっしゃるから。私もな。それはいいのだ。

あの頃みたいに熱くはならなかったけど、実は心の中は熱くなったんだよね。
ライブで、ではなくて、フラッシュバックと今また活動されてることの嬉しさで思った以上の感動があった。
なんだろ？私も歳、とったんだなー、なんて普段あまり感じないことを思った。

#WOWOW