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始業式での話は先人の業績から    #37

 今年は、能登半島地震、羽田の航空機事故と厳しい年明けとなりましたが、学校ではそれでも子ども達には夢を見せてあげたいものです。新しい年始まりの始業式での挨拶は、「年の初めですから…」、「今年の干支は辰ですから…」といくことが多いですが、私はなるべく社会科で言う「先人の業績」の話がしたく、NHKで毎年始めに放送される「未来への提言」(今はやっていませんが‥)から話を頂いていました。
 次の話は、科学の発見(もう15年も前)の話ですが、今でも研究が継続している話でもありますので、ここに載せさせていただきます。(平成19年 1月10日 N小 学校だよりより引用)

 『今日の始業式では、こんな話をしました。以下、その話から・・・・。
 人々の夢をかなえるかもしれないということで、アメリカのハーバード大学の理論物理学者リサ・ランドール博士の話をします。(言葉も内容も難しいのですが・・・・。)
 私たちが住んでいる3次元世界を取り囲む5次元世界が存在することを証明する式(方程式)を発表したランドール博士はまだ43歳ですが、一躍物理学会のニューヒロインに躍り出た人です。ランドール博士は2004年、5次元を解説した本を出版するとともに、子ども用の解説書も出版して人々の心をつかんだということでした。ラジオでの宇宙シリーズでも生出演して人気を博しており、アメリカ全土のファンから贈られてくる贈り物が絶え間ない人だそうです。研究の成果とその魅力を伝えようとする熱意が人々に確実に伝わりはじめているそうです。
 今年、ランドール博士が提唱した5次元空間を証明する実験がスイス・ジュネーブ郊外で行われます。実験が成功すれば、人類の世界観も覆されることに(宇宙がどうして誕生したのか、など・・・・)。そのため、今この実験に対する期待が高まっています。
 このテレビを見ていて、校長先生も昔から興味があった「宇宙」のことを調べているこの博士のことがとてもうれしく思いました。また、宇宙の謎を解くという夢が実現しそうな話でもありました。その博士にまつわる話の中から皆さんにもお伝えしたい大切なお話を三つします。
 一つは、少女時代のことでした。
 小学校の時はとてもおとなしく、非常に消極的だったそうです。そんな博士が変わったのは、大学院に進んだある日、恩師の教授に言われた言葉がきっかけだったそうです。
「成功したかったら、質問しなさい!」
 質問してみることで、物事を正しく理解できることに気がついたのです!
もう一つは、ひらめきが大切ということです。
 ある日、ハーバード橋の上で川の流れをみているときに突然インスピレーション(ひらめき)がわいたということでした。川の流れを見ていて、「5次元が存在しないという理由はない!」と気がついたということでした。
 それ以来、ひらめきをもとに、実験と証明の連続だったということでした。

 最後の一つは、博士が小学生のときに出会った「不思議の国のアリス」の本のことでした。
 お母さんにプレゼントされた本。「不思議の国のアリス」の中で、不思議の国(鏡の国)「異次元空間」に特に興味をもったということでした。
 そして番組最後に、このランドール博士が、これからの未来に生きる人(皆さんのような子ども達に)に伝える大切な言葉として次のこの三つの言葉をあげていらっしゃいました。
 ○探究心 ○理解力 ○友情

 どれも本校の今の子ども達にとって大切な言葉ですね。』

 長くなりましたが、かなり難しい始業式の話ですね(笑)
 でも私は、話の内容が少し難しくても、子どもにできるだけ印象的でわくわくする内容であれば、必ず子どもに伝わると信じて話をしてきました。先人の話は、難しい(苦難を伴ったもの)ですが私達の礎を作ったものですから、正月明けの子ども達の心にしっかり残って欲しいと思い話をしたことを思い出しました。
(令和6年1月4日)


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