くーさんのひとりごと

昔,小学校の教員、そして校長をしていました。その時のことを,このブログではお伝えしたい…

くーさんのひとりごと

昔,小学校の教員、そして校長をしていました。その時のことを,このブログではお伝えしたいと思います。学校ってそんなことがあるんだ。そんな時はそう考えればいいんだ。など自分のヒントにしてもらえればと思います。

マガジン

  • いろんな思い出

    誰でも「学校の思い出」はいろいろあると思います。いい思い出もありますし思い出したくない思い出もあると思います。ここではみなさんと共有できる思い出をいくつか取り上げてみます。自分もそうだった、そうなんだと思い出していただき、今の自分を振り返っていただければ幸いです。

  • 子どものこと

    学校は、子どもが主役ではあります。ここでは学校の中で見かける普段の「子ども」の様子を取り上げてみます。

  • 親と子の話

    学校は、子どもが主役の世界です。しかしその後ろには親御さんがいらっしゃいます。その気持ちはとても深いものであり、また目はとても優しいものです。そのようなエピソードを集めています。

  • いじめのこと

    学校というと「いじめ問題」という言葉が連想されます。ここでは、いじめそのものというより、普段の「子どもの心」について私が思っていること取り上げてみます。

最近の記事

子どもの登校時の一コマⅠ #45

 朝7時半。  家の前を元気に登校していく子ども達の声が聞こえてきます。そこで玄関に出てその子らに朝の挨拶をしますと、必ず「おはようございます」と挨拶が返ってきます。そこで私もその子らの顔を見ながら「行ってらっしゃい!」と応えています。これは校区での朝の普通の挨拶の様子ですが、私が校長の時の朝の挨拶を記した記事がありますのでそれを以下に載せます。 (S小学校の平成25年6月の学校だよりより) 『先日のある朝のことです。  昇降口前の土間の清掃を終え、8時15分前になったので

    • 子どもに東日本大震災を伝える  その2 #44

       「子どもに東日本大震災を伝える その1」(昨年9月に書いた#24)の続編をと思っていました。      しかし今年になって元旦には「能登半島地震」が、そして4月3日には「台湾地震」が起き、地震の報道が続いています。  そこで今回は「その2」として、緊急時の対応とは、そして学校の職員や子どもにどう向き合うかについて、自分の経験を綴っていきたいと思います。  東日本大震災が起こったのは、平成23年(2011年)3月11日(金)14時46分でした。私は市の校長会の会合があり学校

      • バイキンマンは考えを引き出す天才!(知的葛藤を引き出すキャラのお話) #43

         ここでは、バイキンマンの素晴らしさを、「小学校1年生の算数の授業」の様子を通して伝えたいと思います。  私は、小学校の教員時代、教員として日々の教育実践をする傍ら、教科の専門として算数教育の研究をしてきました。その時に子ども達の問題解決の意欲を高める実践として、やなせたかしさんのアニメ「アンパンマン」のキャラクターを使わせてもらったことがありました。(しかし実は、子どもにとってはアンパンマンの登場より、バイキンマンが登場した時の方が何倍も効果があると私は思いますが‥‥。)

        • 学ぶことが出来なかった子 #42

           私が、Z君と出会ったのは、今から30年ほど前でした。  Z君は、今で言う学習遅進児と思われますが、私は当時の学校の関わり不足、教職員の指導力不足の結果のような気がします。それだけ30年前は、教育もまだまだ過渡期であったのも確かでした。   赴任先の校長先生から(初めての)教務主任をさせるからと言われ私はH小学校に赴任しました。でも実際は5年の担任をすることになりました。私は教務主任という仕事より、(最後に)もう一度担任ができる喜びで一人内心ほくそ笑んだことを今でも覚えて

        子どもの登校時の一コマⅠ #45

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        • 子どものこと
          31本
        • いろんな思い出
          25本
        • 親と子の話
          5本
        • いじめのこと
          6本

        記事

          君がいてくれてありがとう(ぬいぐるみを通して伝えたこと) #41

           校長室の棚に飾っていたものに、帆船(#40)、季節の果物等(柿 #10)、そして子どもからのプレゼント(折り紙、落ち葉、セミの抜け殻、ぬいぐるみ等)等がありました。  ぬいぐるみ?そんなもの置くのかと思われますが、校長室の棚というのは地域の方からのいただきもの(柿やリンゴ等)や子ども達からのいただきもので賑わっているものでした。  今回取り上げる上記の「ぬいぐるみ」(挿絵)は、確か私がクレーンゲームでとった大切?なものでした。(子どもからのものではありませんが……。)当時流

          君がいてくれてありがとう(ぬいぐるみを通して伝えたこと) #41

          枇杷は美味しかった? #40

           昨日、懐かしいハガキが届きました。  差し出し人は、私がH小学校で3年生の担任をしていた時の教え子(Aちゃん)でした。その文面を見るのも数年ぶりでしたが、何よりも本人の自筆を見て私はとても嬉しかったです。  実は、Aちゃんとの出会いは今からおよそ26年前?にさかのぼります。3年を受け持った当初、2年の時から不登校気味だと前担任から聞いていましたが、私としてはそんなことよりどんなお子さんなんだろう?何が好きなんだろう、そして放課後はどうしているのだろうかとそんなことをよく考

          枇杷は美味しかった? #40

          子どもが亡くなる #39

           能登半島地震ではたくさんの方がお亡くなりになられるとともに、現在もたくさんの方が行方不明となっておられます。重ねてご冥福をお祈りいたします  学校に勤めていると、人が「亡くなる」ことに出会うことがあります。これは避けることが出来ない日常でもあります。  お父さんが朝起きてこなかった、またお母さんが投薬の甲斐もなく病院で‥。中にはがんの闘病で病休をとられていた先生が薬石効なく亡くなられたこともありました。  学校ですから辛い話ですが、学校に通ってきていたお子さんが亡くなるこ

          子どもが亡くなる #39

          あなたがいるから…… #38

          学校にいる時によく相談されることが多かったことに、「子どもが言うことを聞かない。(子育て)」がありました。  それは担任の時だけでなく、教務主任、教頭の時も、指導主事の時も、そして校長となった時もありました。しかしその時、私が答える言葉は、いつも「あなた(子ども)がいるからお母さんは助かっているよ。」でした。  私が6年担任の時、クラスのお母さんからこんなことを相談されました。(35年前の話です)  「息子が、言うことを聞きません。弟(小4)の世話もしてくれません。言っ

          あなたがいるから…… #38

          始業式での話は先人の業績から    #37

           今年は、能登半島地震、羽田の航空機事故と厳しい年明けとなりましたが、学校ではそれでも子ども達には夢を見せてあげたいものです。新しい年始まりの始業式での挨拶は、「年の初めですから…」、「今年の干支は辰ですから…」といくことが多いですが、私はなるべく社会科で言う「先人の業績」の話がしたく、NHKで毎年始めに放送される「未来への提言」(今はやっていませんが‥)から話を頂いていました。  次の話は、科学の発見(もう15年も前)の話ですが、今でも研究が継続している話でもありますので、

          始業式での話は先人の業績から    #37

          だれもが嬉しさを表現できる日が来ますように #36

           来年の干支は、辰です。実は私には、この「辰」にまつわる思い出が一つあります。(辰なのか竜なのか微妙な違いはあるのですが‥‥)それは12年に一回巡ってくる私の淡い「思い出」でもあります。今回は、その話を思い出して書いてみます。 (昭和57年末  今回は一教員の話です。)  それはルース・スタイル・ガネット作 「エルマーのぼうけん」の お話から始まります。(上の左の絵の話です)  今から41年前。私はI小学校の担任として教員をスタートさせました。私が教員経験が全くなく、また工

          だれもが嬉しさを表現できる日が来ますように #36

          校長室の窓から見える子どもの様子 #35

           先日、ある学校の先生から、「子どもの休み時間の表情が一番好き」という話を聞きました。どうしてそう思ったのかと聞きましたら、「思いっきり遊んだから満足感いっぱいだからです。どうですか? 」と逆に聞き返されました。そこで昔のことですが、次のような話をし、子どもの様子を大切にすることを話しました。(平成19年3月2日 学校だよりより引用)   『校長室の窓から、子ども達の登校、下校の様子や休み時間に運動場へ行くときの様子、さらに教室に戻るときの様子を見ることができます。そんな時、

          校長室の窓から見える子どもの様子 #35

          ひとの心を傷つけて喜ぶ心寂しき者に #34

           前回のNOTE(#33学校とコミュニケーション)で「いじめ」に絡んで緊急転校した子のことを書きました。その事案が起きた1年後、私は出張先の東京の電車の中で、ある車内吊り下げ広告の詩に感動したことを思い出しました。その記事を記載します。(平成21年12月1日 S小学校の学校だよりより引用)  『市の人権尊重週間に合わせて、本校も今週の4日(金)から校内人権尊重週間が始まります。 (中略) 今月12月の学校のめあては、「相手の気持ちを考えて行動しよう。」です。最近、子ども達の日

          ひとの心を傷つけて喜ぶ心寂しき者に #34

          学校とコミュニケーション #33

           最近のニュースに戦争等紛争の話が尽きません。人が人を傷つける。子どもがたくさん犠牲になっている。国内でもニュースに殺傷の話が尽きません。国外と国内と場所は違っても、人が人を傷つける話に変わりません。本当に胸が痛い話です。  これらの話は、元を辿ればコミュニケーションの話に行き着くのではと思います。学校ではコミュニケーションはとても大切なツールになります。子ども同士、先生と子ども、当然先生と保護者、職員同士、…全ての関係にコミュニケーションが存在しています。そんなことを思った

          学校とコミュニケーション #33

          秋が子どもを育てる #32

          今年ほど「季節の移り変わり」が分からない年はありません。いったい秋はいつ来るのかと思ってしまいます。そうは言っても、私は、やはり「季節の移り」はいつも意識していたいものだと一人ほくそ笑んでいます。  学校の中でも、季節の移り変わりは、子どもにとっては刺激的なことである分だけ、季節(秋)は子どもを育てるものと私は思っています。  11月。この時期の「校長室風景」の中に、「朝の清掃(落ち葉集め)と挨拶」のことを書いたものがありました。気持ちよい活動、気持ちよい挨拶は子どもを育

          秋が子どもを育てる #32

          学習発表会 #31

           先日、近くの小学校(私が最後に勤務した学校)の学習発表会に招待をされ出向いてきました。その学校での10年前当時の発表会の記事があったので読み直してみました。(以下、平成25年12月 2日 S小学校の学校だよりより引用)  『去る、(平成25年)11月16日(土)に「学芸会」を行いましたところ、多くの方々に参観をしていただき、誠にありがとうございました。  今回の学芸会は、昨年とは違った題材が多く、子ども達の白熱した演技や演奏も相まって素晴らしい内容に仕上がったのではないか

          子どもが覗く先の帆船 #30

           このブログの素材は、私が校長として在籍していた時に毎月書いていた「学校だより」の中に「校長室風景」という名の簡単な「エッセイ」を書いていたものからの出典です。  校長室にいると聞こえる子どもの声、校長室前の廊下での出来事、そして校長室の窓から見える外の様子などが題材となっていました。ちょっとした子どもの様子、保護者の行動、そして先生達の心遣い(気遣い)等が中心です。時には世の中の出来事にも飛躍する時もありました。そんな「校長室風景」は、学校の様子を保護者や地域の方々、時には

          子どもが覗く先の帆船 #30