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校長室の窓から見える子どもの様子 #35

 先日、ある学校の先生から、「子どもの休み時間の表情が一番好き」という話を聞きました。どうしてそう思ったのかと聞きましたら、「思いっきり遊んだから満足感いっぱいだからです。どうですか? 」と逆に聞き返されました。そこで昔のことですが、次のような話をし、子どもの様子を大切にすることを話しました。(平成19年3月2日 学校だよりより引用) 
 『校長室の窓から、子ども達の登校、下校の様子や休み時間に運動場へ行くときの様子、さらに教室に戻るときの様子を見ることができます。そんな時、私は子どもの表情と体の動きに着目しています。友達と顔を合わせながらニコニコしている子ども、うつむき加減でしょんぼり歩いてくる子ども、運動場目がけて競って駆けだしていく子ども、先を行く友達を追いかけて楽しく駆けていく子ども、そして仲のよい友達の姿を目線で追う子ども等、一人ひとりが違った表情や動きを見せてくれます。
 教育の効果を上げるためには、「その子どもをより深く理解していくことである。」と言われるように、私達は、子どもの一挙一動に心を配り、また多くの情報や資料をもとに、子どもを一人の人格として総合的に理解していこうとしています。特に、子どもとの触れ合いを大切にし、理解を深めていくように努めています。
 その意味で校長室の窓からではありますが、子ども達のいろいろな様子を垣間見ることができます。そこで直接子どもに、「元気がいいね、うれしいね。」「しょんぼりしているね、どうかしたの。」等話したり、担任に「あの子この頃元気がいいね。」「よく遊ぶようになったね。」等話したりして、私は一人でも多くの子どものことを理解しようと思っています。そしてその後も、引き続き子ども達に声をかけたり、担任に様子を聞いたりしています。
 そのように考えると学校は、担任一人が子どもを指導、教育するのではなく、全職員ができるだけ一緒に一人ひとりの子どもを共通理解して育てていくものと思います。私達が、もっともっと子どもを深く理解し、触れ合いを深めていけば、一人ひとりの子どもが持っている可能性や力(エネルギー)を引き出し、伸ばしてやれるのではないかと、私は窓越しに思うのです。 
 それにしても、本校の子ども達は外でよく遊びます。ボール遊びだけでなく、最近は鉄棒遊びが全学年で流行っています。とてもいいことだと思います。全身で遊ぶ姿は、表情も態度もすばらしいとも思います。学校だより(12月号)でも書きましたように、「・・・・一目散に運動場へかけて行く姿を見ることができます。不思議なことに、運動場に出ていくときはほとんどの子どもが思いっきりかけて行き、終わって帰るときは、満足したのか柔和な顔をして、ゆったりと歩き、友だちと楽しそうにしゃべりながら教室に戻ってきます。・・・・」は変わりません。』

 最近の先生との話で思い出した話です。
 子どもの表情を見ることが大事だと言っても、あまり根拠の無い話で終わる話ですが、遊びの中に子どもの本質を見つけたその先生は、きっと素晴らしい担任として子どもに迎えられる先生となることでしょう。
 そんな話をしていたその先生の表情もとても穏やかなものでした。(令和5年12月3日)


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