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ハムスターを看取る-ペットの緩和ケアについて考える-


昨日、ペットのハムスターが亡くなりました。
享年2歳2か月、ジャンガリアンハムスターの寿命は2-3年なので、最期の1週間は急激に体が弱り、今まで通りの食事もとれない状態でした。


私はこれまで、ハムスターを2匹飼いました。
内、1匹は家に迎えて1年での急なお別れだったので、ショックも大きかったです。
ですが、2匹目の時は、人間でいう老衰のような経過をたどりました。
その為、1匹目の時と比較すると、心の準備、介護の準備も出来ていたような感じがします。


人間だと、病気から来る苦痛を緩和し、QOL(生活の質)を上げる、維持する、緩和ケアと呼ばれるケアがあります。
今回、その緩和ケアをハムスタ-に取り入れてみた経験を、記録に残そうと思います。


ハムスターにとっての幸せを考える


急激に弱り始めたハムスターを見て、言葉に言い表せないショックがありました。そこで考えた事がこちら。



ハムスターに限らずですが、ペットにとっての幸せって何でしょうか。
言葉を使ったコミュニケーションが出来ない為、これまでの関りや、本、ドクターからの情報を頼りに「これが最善」と思える関りをしていく必要があると考えます。


これはハムスターに限らずですが、様々な苦しみを抱えた動物にとって



・体の痛みが無い
・美味しいものを美味しいと感じられる
・排泄の機会を維持できる
・傍に居て欲しい時に居てくれる人がいる
・最期まで興味、関心といった情動を持てる
・なるべく苦痛なく過ごせる


という状態が、ベターかな、という考えに至りました。


具体的にどんな行動をとったかたというと、

・体の痛みが無い→安全な動線の確保(転倒のリスクがあるもの、使っていない物をのける)、床材を多くしてクッションを増やしたり水を飲みやすくする

・美味しいものを美味しいと感じられる→今までのご飯を無理に食べさせず、補助食(ゼリーなど)やすりつぶして食形態を変えて提供してみる、朝夕でスプーンで口元まで持っていく

・排泄の機会を維持できる→トイレまでの動線を短くする、トイレ砂を厚くする

・傍に居て欲しい時に居てくれる人がいる→外に出たがっていたらすぐ出してあげる

・最期まで興味、関心といった情動を持てる→元々好きだったかじり木を傍に置いておく、飼い主の元に来てくれたら今まで以上に対応する

・なるべく苦痛なく過ごせる→食事をあげる時間や、ハムスターからこちらに来ない場合はそっと見守る(必要以上に関わってストレスを与えない)


といった事です。



正直、これが全て正解だったかは分かりません。これらの行動が、もしかしたらハムスターにとって予想以上にストレスだった事もあると思います。
ただ、結果的には間違っていても、「どんな行動が今のハムスターにとって最善か」と考え→行動する。この過程の重視が、飼い主の義務ではないかと考えます。


うちのハムスターは、

亡くなる7日前→けいれんを起こす、頻脈になるなど急激に容態変化
亡くなる6日前~2日前→昨日の容体が嘘だったように動きが機敏になる。食事量は減りながらも毎日ゼリーやペレット(団子状)、水分を摂る、かじり木を弱弱しくかじる
(日々体調のムラあり)
亡くなる1日前→動きが活発になり外に出たがる。食事もわずかに食べる


という経過をたどり、亡くなった日の午前中も、ふらつきながらも活発に動いていました。
食事量や動きだけを見ると、弱っていく姿だけが印象に残り悲しさがあります。ただ、その中でも、かじり木に最期まで興味を持ってくれたり、外に出ようとしたり(手に乗ろうとしてくれたり)、亡くなる直前まで自分で移動できる環境を確保できたことに、安心しています。


人間も、ペットも、アプローチは異なりますが、緩和ケアの「苦痛を取り除く」「最期をその人(ペット)らしく送れるようにお手伝いする」という目的は共通しているのでは?と感じた、貴重な経験となりました。







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