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ベランダ泊のススメ

年が明けて、「この冬1番の寒さです」というニュースを見たので例年通りベランダ泊をした。この日の予想気温は-4度だったが、実際は-2度くらい。

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今回ベランダ泊したのは理由があって、新調したサーマレストのネオエアーXサーモを試したかったからである。

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2020年の年末、年越し登山を計画していたのだけど、大寒波襲来ということで断念せざるを得なくなってしまった。仕事柄、3日くらい休みを取るのはなかなか難しいので、せっかくだからどこかへ行きたいのだけれど、登山するには危険すぎる天候だった。近場の安全なところでキャンプというのも張り合いがない…ということで上高地で雪中キャンプをすることになった。

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この時期の上高地は、冬季閉鎖期間となるのでバスもタクシーも通ってない。鎌トンネルまでタクシーで行き、そこから約8kmを自己責任のもとスノーハイク。

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ワカンを付けて歩くのが初めてだったのでなかなかうまくいかず、4時間半かけてようやく上高地に到着。木の上にたくさん猿がいた。大寒波襲来といってるのに山に登る人も1〜2人チラホラと。小梨平キャンプ場にも5〜6張のテントが張ってあったが、夏から秋にかけてかなりの人でにぎわう上高地も我々含めせいぜい10〜15人くらい。イグルーなどを作りつつテントを張る。

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夜になるとテントの中は-6度くらいの気温。外は風がビュンビュンと吹きつけていてテントがたわんでいる。ガスバーナーでラーメンを作ると室内は10度くらいまで上がるが、5分もすると-6〜7度あたりを行ったり来たり。
テントに吹き付ける風が、熊がテントの周りをノソノソと歩いているようにも聴こえてくる。
2020年夏、この小梨平キャンプ場で熊が出て、トイレのあたりまでテントごと引きずられたという事件があったが、場所的にはまさにそのあたり。同行したU氏はモンベルのEXPダウンシュラフとエアマットの装備で、イグルーでの中で風も防いでいるせいか、いびきを掻いて寝ている。しかし、こちらはシュラフもマットも1~2ランク下のものでとにかく寒い、というか痛くて一睡もできずに朝を迎えることになった。

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翌日は奥飛騨のクマ牧場へ行って、坂巻温泉に入って帰宅。楽しかったが雪山と(幻聴の)クマの恐ろしさを肌で感じた日だった。
というわけで、そのとき持っていったR値2.0のZライトソルでは雪山は無理だなと思い、年明け早々にR値6.9のサーマレストのネオエアーXサーモを購入。冒頭の「今年いちばんの寒さ」のニュースを経て、ベランダ泊に至ったわけである。

結論から言うと、ベランダはコンクリートなので、冬はそれなりに冷たい。Zライトソルでも少し冷たさを感じるくらいだったが、ネオエアーZサーモはむしろ肌のぬくもりが跳ね返ってくるようで暖かさすら感じた。値段は少々高いが、国内ならこれで行けないところはなさそうな感じもする。しかし、寝心地という点ではちょっと反発が強いのでなんだか落ち着かない。あと山で寝るときは耳栓必須だ、風の音は本当に怖かった。それはこのあとの坊ガツルに行ったときに実感することになる。

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と、そんなことをツイートしてたら、タツオから「米粒写経のガラパゴスイッチ」に急遽呼ばれて「ベランダ泊のススメ」と題して喋ることになった。緊急事態宣言下でゲストが出れなくなったため、身内を動員しての策でもあるんだけど、米粒のお2人が聞き役としてちゃんとまとめてくれたおかげでなんとか形になった。

終わって会場にいた(登山好きと思われる)技術スタッフさんに声をかけられたり、楽しい経験をさせてもらったので、今後も記していこうかと思います。

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