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自画自参【永遠プロトタイプ】その1『サンホール』

[ROCKIN’ICHIRO&BOOGIE WOOGIE SWING BOYSのお話]〜出逢い編〜

私(浜辺シゲキ)は五島列島の高校を卒業して、資格を取る為、大阪の学校へ行くこととなり、3月末日に大阪府の吹田市で一人暮らしを始める事になる。

まだ、電車の乗り方もわからぬ田舎者。乗り換えなんて知らず、路線が変わる駅で一度改札を出て切符を買い直す程のわからなさ具合だった私は、春の季節の間、大阪駅周辺でしか休暇を過ごすことが出来なかった。夜間の学校で、昼間は働いて土曜の夜から日曜日だけが音楽を探せることの出来る唯一の時間だった。
そして、季節は夏。少し大阪にも慣れた頃に足を伸ばす範囲もミナミまで行ける余裕が出て来たと同時に、週末土曜の夜に路上で弾き語りを朝まで歌い通す事をやり始めた。大阪駅がキタならば難波はミナミ。私はミナミの心斎橋、通称アメリカ村(アメ村)の三角公園で弾き語りをする事になるのだが、真夏の暑い土曜の夜に、たまたま私の弾き語りを観ていた女の子達が、「近くでrockabillyのイベントやってんで。良かったら朝までやってるらしいから行こうや」と誘ってくれて、まだあまり把握していない雑踏のアメ村の道を通り、大きなボーリングのピンが聳え立つビルの方へ向かった。
サンホールというボーリング場のある複合ビルで、1番下の階で行われていたのが「R&R carnival」というイベントだった。


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