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【感情と得体の知れないもの その4】

白い何かに変化が起きたのは、その時だった。

おもむろに穴から首を出し、

周囲を眺め始めた。

白い何かはつるりとしていて、

イルカのような、
ムーミンの「ニョロニョロ」のような、
ナウシカの「巨人兵」のような、

感情があるのかも分からない、
得体の知れないものだった。

「切なさ」を探し出す必要が出てきたのは、
1人の少年とその担任の存在が理由でもあった。

12月の巡礼の時点で、
この2人は、本人達の意図しない所で、
私を非常にサポートしてくれていた。

「次は男性」のメッセージを受けた時、

その2人はすでにそこにいて、
私に「男性」としての視点を
教えてくれていたことに気付いた。

もちろん、
夫や息子達の存在も必要不可欠ではある。

しかし、
「切なさ」に関しては、
「別れ」が伴うこの少年と担任が引き金だった。

異なる性を理解していくことは、興味深い。

同じ人間であっても、
まだまだ「女性」と「男性」が育つ過程、
文化的な背景は異なると思っている。

私は、これから「男性」について、
どんな視点を得ていくのか。

自分の変化も楽しみたいと思っている。

そして、得体の知れない白いものは、

今は穴から出て、その淵に腰掛けている。

どこへ行くでもなく、

まだそこにいる。

何となく、

女性ではないものを、

子宮から出産したような感じもする。

私の中の不思議の世界に、
得体の知れない住人がいることが、面白い。

おわり

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