自分の「推し」V


まず引退したらしい

「ミライアカリ」


パイオニアのキズナアイ、天才型の輝夜月、電脳少女シロと並ぶ、
ヴァーチャル四天王と呼ばれた初期の女性Vチューバーだ。

この人はアドリブがなんか苦手というか、いつも力が入っていた。
いや、一生懸命になりすぎて肩に力が入りすぎていた印象だ。

確かに当時は配信メインじゃなく、動画であって演技が固定されている。
尺に収める為、台本通りにやりつつ何かを生み出さないといけない。
映画俳優なんかもなんとなくコミュ力が低い人が多いイメージだが、
ミライアカリも声優畑っぽいので、それが意識にあるのだろう。
それが抜けきる事が出来なかった気がする。

そもそもが人気のあるVチューバーはミライアカリほど気を張ってない。
やや不真面目で、芝居よりも本音を多く混ぜてゆく、悪態をつく。
だからトークに視聴者からのシンパシーが得られるのだろう。

ミライアカリは人一倍真面目で、人一倍頑張っていた気がする。
配信で何度か泣いていたのを観た。
率先して負担の多い仕事も引き受けていたようだ。
四天王の名前負けしない様に、必死でやっていたのだろう。
素直でポジティブで、本気で夢を叶えようとしていた。
逆にその余裕の無さが周囲に伝わってしまった気がするのだ。

ただその愚直な生き様が自分の心に響いた。
こんな娘が報われたら、きっと自分も嬉しいだろうと感じた。

才能に恵まれた他の四天王より、ドラマ性を感じてしまったワケだ。
この辺は初期のモーニング娘。のコンセプトに似ている。
つんく♂っていう人もこういう娘が好きそうな気がしてしまう。

だから今も「ミライアカリ」が自分の頭の中に残っている。



次に、

「さくらみこ」


この人の特性は自分を下げても気にしない部分だろう。
最初に観た時、謙虚な娘だと思った。
周囲と感性の違う自分にコンプレックスがあった気がするワケだ。
生まれる時代がもっと前であれば、明らかに潰されていたタイプ。

おそらくHSP気質なのだろう。
ようやく時代が追いついた、このフラットな価値観が間に合ったと。
今後は少しづつ、こういうタイプも増えていくだろう。

この子は俗に「ハブ」というタイプで周囲を融合させる接着剤の様である。
誰に舐められてもいいとナチュラルに動いている。
最初からポジション維持を放棄し、フラットな立ち位置を選ぶ。
そしてその生き方が他のホロメンを感化していったようだ。
一匹狼的なメンバーも彼女だけは受け入れてゆき、馴染んでしまう。
突出したギバーであり、唯一無二の才能だろう。

指示があったのか知らないがこの子のやり方が正解と認められ、
現在ではホロライブの上下関係の壁はほとんど無い。
自らピエロの役、要は下振れの「損」を引き受けながら、
取れ高の最大値を作り出しているという、まぁ天才肌と言える。

更に彼女はオリジナルの含蓄を、面白おかしく織り交ぜ、
おそらくは地頭が滅茶苦茶いいのだろう、
ただオリジナリティが強すぎて、既存のルールが肌に合わないと。
だからポンコツと言われているだけだ。

思考密度が高すぎて、ちょっととろい様に見えるモノの、
瞬間的なアドリブでのユーモア、語彙力、イントネーションと、
真似できない曲芸のようなトークをずっと配信に乗せている。
生粋のエンターティナーなのだろう。
これまでは周囲の権勢欲、承認欲求を満たす役割だったに違いなく、
とうとうそれが「人を喜ばせる」という職業に巡り合えた事になる。
天職だ。

ずいぶんと自分の役目を見つけるのに時間をかけたが、
開花したみこちはV全体でもトップクラスのタレントだろう。
かつて桐生ココが導いた関係性ビジネスとしての箱を、
スーパーエリートさくらみこが今、さらに押し上げた気がする。

方向性を得た彼女の伸びしろはとんでもない事になるかもしれない。
凄い何かを期待してしまう。

あと「かなたん」も好き。


おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?