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〈愛と趣〉🗝

彼が彼女と私の前を通過して
彼女が彼の後ろを追いかけていかなくなっても、トラウマみたいに2度3度起きてしまった現象を全て無かった事にできないなんて。
山田さんとの夜、自分のことは棚に上げ彼の過ちで私は傷つけられたとでも言いたいのだろうか。

実はこの一ヶ月の間に転職を決断した

あっくんと恋の噂がたった女性は3ヶ月程で突然職場辞めていたけれど、まさか自分もそのうちの1人になるとはね。

有給消化で休日をとって表参道でキャラメルを買ってパンケーキで有名な店で食事をすませた日、原宿駅よりに裏道を歩けば一軒のピンク色の家に引き寄せられるように入った。

「このかたプレーボーイですよ、別れる」

不倫関係にある事も
これからどうしたいかも伝えずに占いは始まった。

元々比べられるのが好きでは無い私は、
そもそも奥様と同じ土俵には立てないのが良かった。彼に抱かれたいと言わんばかりのスタンスで毎日働きに来ている新人の彼女と、同じフィールドに立っているかのように感じれば、それは自分を縛り続ける苦痛と上手く付き合っていくようなもので不自由でしかなかった。

「寂しがり屋でプライド高い、側にいないと続かないし、女性に優しい」

いつしか彼女の出勤しない平和な昼の休憩時間に、そんな日が彼女とあっくんとのロマンスデーだと知ってからは、彼には自分だけでは満たされないものを咎めたりする気持ちも無い性、物理的にも距離を置いても離れないならば素敵な事と、職場を変える決意はできていた。

つい先日二次面接に合格した翌日
2週間後に辞める話を山田と
あっくんにはメッセージでそれだけを伝えた。

katz maneki🗝

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