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我が国の民主主義

この日のニュースはあまり見ないようにしている。でも自分の身近な人がテレビで取り上げられてたから今年は少しだけ見てみた。
辛くなるかなと思ったけど、一周回って面白かった。こうやって、声を出したくても出せなくて、声を出したとしても届かなくて苦しんでいる人が置き去りにされていくんだな、と。新しいものができていくことが復興なんだな、と。不謹慎極まりないけど、感動的な言葉だけを切り取って、後ろでは感動的なBGMが流れるのがまた滑稽で面白い。

別にメディアを叩きたいわけではない。民主主義がどうのって言っているのに、どうしてこういう報道しかできなくなっちゃうんだろうって、純粋に思う。めんどくさい議論が勃発しちゃうから?議論が勃発することはいわゆる「復興」の妨げになるから?マイノリティの声なんて所詮マイノリティで皆に聞いてもらう必要ないから?マイノリティっていう存在そのものが「復興」のアピールの妨げになるから?その辺り詳しくないから何とも言えないけど…。

「復興」という言葉に、「住民に寄り添った」「住民の声を聞く」みたいな言葉が一緒に付いてくるけど、住民って誰のこと?寄り添ってどうするの?聞いてどうするの?そもそも寄り添ってるの?聞いてるの?重要な点について「要検討します」ってよく言うけど、要検討って聞かなかったことにするってことなの?民主主義って何なの?ニュースを見る度にこんな疑問がポンポン浮かび上がる。

あのニュースを見て、本当は分断が起きているって誰が気づくだろうか。ただ帰って前みたいに穏やかに暮らしたいだけなのに、周りの人に畏縮しながら暮らさなくてはいけない人がいるということに誰が気づくだろうか。(前から村社会だったから、「0」からのやり直しって捉えれば良いのかな。)

この国の民主主義は、「悪い」出来事や「不都合な」出来事に関しては、都合が良くなるような声だけを取り上げて(もしくは言わせて)、前進思考で感動的なストーリーを作り上げて、人々に刷り込んでいくことだと思う。聞く、寄り添う、議論するっていう「形式」だけ作っておいて、時間を利用して徐々に人々の記憶から「悪い」部分を抹消することだと思う。民主主義って国民がリーダーを決めて、そのリーダーに自分たちの気持ちを伝えることを通して政治参加していくことだっけ?自分でもよく分かっていないのに文句言うなよって感じだけど、この日本の民主主義に自分も荷担していると思うと、虚しく感じる。

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